24.3.12

ウェールズ

気分が乗ってるうちに連投しときます。

今日はウェールズ日帰りバス旅行に行ってきました。インターナショナルソサエティというボランティア団体が開催しているお買い得なツアーの一つです。
行ったのはスノードニア、北ウェールズです。アーサー王が倒した巨人が埋まっているという伝説があるそうです。
ざざーっと写真を貼ってみます。下手なのであまり美しいとは言えないものや、何これ?ってものもあると思いますが、まあ大体こんな雰囲気だと伝われば…。
Llanberisの鉄道で山を登る途中の景色。

頂上ではありませんが、汽車はここまでしか行ってくれません。でも良い眺めでした。

同じ位置から見えた池。本当はもっと綺麗な青だったんですけれども…。

私が乗ってきた蒸気機関車です。中には「燠が飛んでくることがありますのでお気を付け下さい」とありました。

それほど高い山ではないのですが、斜面はかなり急なところもありました。

ウェールズ語です!全く読めません。

山を下ってきたところに湖がありました。草を食む羊たち。

次に行ったのがSwallow Falls。滝です。辺りは森でした。

メインの滝。側に行くとひんやりとした空気が流れていました。

メインの滝の上流にあった滝。個人的には、こちらの方が好きでした。

Betws-y-coedの町。ウェールズらしく、皆灰色の石造りの建物ばかりです。

白馬発見!

この季節、何が良いって子羊がたくさんいることです。可愛い!

近くの古い教会の墓地には、こんな花も咲いていました。教会自体は13世紀のものだそう。古そうな墓石もたくさんありました。

23.3.12

Hunger Games

Suzanne Collins
Scholastic Press
発売日:2010-07-03

 全巻読みました。思ってたより面白かったです。
解がちょっとシンプルかな…?と思いつつも、問いかけてくることはけっこう複雑。
エンターテインメント風のバトル・ロワイヤルを効果的に演出しつつも、殺し合うこと、憎み合うこと、の意味を考えさせられます。

くじ引きで男女24名が選ばれてサバイバルゲーム、という粗筋を読んで、バトルを正当化させるための設定か、と思っていたのですが、もちろんそれもあるのでしょうけれどそれだけじゃない気がしました。生き残るための闘いや心の葛藤を見せつけられながらも、背後にありつづける、そのむちゃくちゃなゲームを強制する力のある、大きな権威の存在を感じさせられます。

1巻の話は基本的にサバイバルゲームに徹し、主人公のキャットニスはこんな残酷なゲームを強制してくる権威に対する疑問はさっぱり抱かない。自分の置かれた世界に疑問を持つことなく、自分の命のために戦う。そして、あくまでも自分の生きる社会の枠組み内でしたたかに生き残る手段を考えていきます。2巻、3巻は彼女と周りの人々の、その権威に対する闘いとなってくるのですが、反抗勢力が完全に白と言えないところにまたはらはらさせられます。

こんな超設定でも共感できてしまうのは、おそらく、ところどころにちりばめられた、主人公たちの悩みや心の動きの描写のせいなのでしょう。信用していいのかまずいのか、あの人は私をどう思っているのか。状況は違えど、皆が日常的に考えることを、主人公たちも考え、感じ、悩んでいるように思います。

22.3.12

エディンバラ旅行

かなり前になりますが、2泊3日のエディンバラ旅行に、友人たちと行ってまいりました。
天気は全体的に曇ってはいましたが、雨がほとんど降らなかったので楽でした。
一般的な観光スポットを回っただけでしたが、2日目の夜にはゴーストツアーに参加→怖くない物足りない!→墓場行こうぜ!という流れになり、古い都ならではの夜の雰囲気を楽しんだりもしました。
結構のんびりしたスケジュールでした。
着いた時は夜でした。奥の方にエディンバラ城が薄ぼんやりと光っています。下の方は駅です。

ここが一体どこだったのか覚えていませんが…とにかく散歩に出かけた先でした。

通りすがった妙な家のような建物。王室関係の建物の近くにあったので、何か関係しているのかも。

アーサーズ・シート(アーサーの席)という丘に登る途中の眺め。

斜面が急でした。

頂上からは、霧がかかっていて見通しは今一だったものの、エディンバラ城が見えていました。

霧でほとんど周りは見えませんでした…。

どこも大体、こんな感じの石造りの街並みです。

確かこの建物は17世紀建造と書いてあった、気が…。
こんな感じでゆるゆる楽しんできました。

28.2.12

サトクリフ

最近はまっている作家の一人が、ローズマリー・サトクリフ。
今更?って感じもありますが、今更になってようやく、彼女の作品の良さがわかるようになりました。

サトクリフの作品は大体どれも極度に地味で、文章もそっけなくて、だから想像力を必要としてくる。しかも、小説ごとに文体が微妙に違ってきて、スタイルに慣れたと思って次の本を手に取るとなんとなく裏切られた気分になります。それに理由があると分かったのが、つい最近で、それを理解してからはぐっと読みやすくなりました。

何か読むのが簡単なものが読みたくなって買った、The Shield Ring (邦訳『シールド・リング-ヴァイキングの心の砦-』)を読んでから、がっつりはまりました。
The Shield Ringの舞台は、1066年から少し経った頃の北部イングランド(というか湖水地方)、9世紀頃からヴァイキングの人々が支配していた地域に住む女の子と男の子の話です。1066年とは、つまりノルマン人がイングランドを征服した年。攻め込んでくるノルマン人たちに、イングランドを故郷とするヴァイキングの末裔たちが、追い詰められつつも踏みとどまろうと努力する、そんな話です。
今、私はアングロ・サクソン文学を学んでいます。さらにアイスランドへ行く前には『アイスランディック・サガ』と呼ばれるサガを幾つか読んでいて、それでようやくわかったのですが、The Shield Ringは、サガや、古英語詩を活かした作品なのです。The Shield Ringに何回も登場する古英語叙事詩『ベーオウルフ』は、アングロ・サクソン人が祖先の故郷である北欧の伝説を下敷きにして創った話で、当然ヴァイキングたちも知っていたであろう物語です。サトクリフはこれらの物語を読みこんでいたようで、サガや詩でよく使用されているモチーフや表現が小説にたくさん盛り込んであるのです。例えばこの作品によく出てくるのが、ハイフンで二つの言葉を繋げた複合語。これは多分、新しい言葉を二つの言葉を繋げることによってつくっていく古英語の特徴を、踏襲しているのだと思います。

私にスタイルの由来がはっきりと分かるのはヴァイキングやアングロ・サクソン関連の物語だけですが、きっと他の時代を扱った作品も、その時代の文学や文書、言葉を反映したスタイルになっているのだろうと思います。だからこそ、サトクリフ作品は、作品ごとに文体が変わるのでしょう。


そして忘れてはならない、分かるとちょっと楽しい小ネタが、「イルカの印章のついたエメラルドの指輪」。一番最初に登場するのが、ローマン・ブリテン時代の作品The Eagle of the Ninth『第九軍団のワシ』で、主人公のアクイラの所持品です。この指輪はアクイラの家系に代々受け継がれ、ローマン・ブリテン四部作の主人公たちが所持しているものなのですが、この指輪の系譜はその後も続いていくのです。私が記述を覚えているのはローマン・ブリテンシリーズとThe Shield Ring(Sword at Sunset, Sword Songも手に取った記憶はあるのですが指輪の話は覚えておらず…)だけですが、つまりThe Eagle of the Ninthの133年頃から、The Shield Ringの1066年頃まで、指輪は受け継がれていくわけです。指輪自体の重要性は作品によりけりで、話の中心になることはほとんどないのですが、時代の経過と、ブリテン島に暮らす人々の歴史を感じさせられます。
サトクリフがこの指輪で表現したかったのは、多分、イギリスで暮らしていると時々感じることのある「様々な人が生きてきた足跡」のような感覚なのではないかと思います。場所によりけりですがイギリスには本当に色んな時代の遺跡が残っていて、ふと古そうな建物を見上げると16世紀のものだった、なんてことや、ビジネス街にローマ時代の城壁の一部が、なんてことがけっこうあります。そういうものに囲まれていると、ふと、「今よりかかっている壁に、16世紀の人が触れていたことがあるんだろうな」とか、「私が腰かけているこの遺跡の階段を、2000年以上前に松明を持ったローマ人兵士が登っていったんだろう」と、過去と繋がっている現在を感じることがあるのです。サトクリフが指輪の継承を描くことで伝えたかったのは、その連綿と繋がる過去からの系譜だったのだろうと、私は思っています。

ちなみに、イルカの指輪のシリーズの年代リストはこちらです。rosemarysutcliff.comから引用させて頂きました。

The Eagle of the Ninth (AD 133),
The Silver Branch (about AD 280),
Frontier Wolf (AD 343),
The Lantern Bearers (AD 450),
Sword at Sunset (immediately follows the time of The Lantern Bearers)
Dawn Wind (AD 577)
Sword Song (about AD 900),
The Shield Ring (about AD 1070).

登場人物の物語自体についても色々語りたいことがあるのですが、まとめるのに時間がかかりそうなのでまた今度にしておきます。