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5.9.12

雑多に読書。

随分間が空いてしまいました。最後の旅行記を書こうと思って、書きかけているのですが、中々終わりません。

これは、アメリカに来てから読んだ本たちです。

The Silver Branchは、読んだ気になって読み漏らしていたのに気付いて、読みました。めずらしく、はっきりとした歴史的なできごとのど真ん中に主人公がいるお話でした。歴史の流れの片隅で生きる人の話ばかり読んでいたので、少し意外でした。と言っても、やはり無名の人物が主人公なのですが。

Fire and Hemlockは、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの作品の中でも、かなり上の方の年齢向けなのだと知って、どんなものか読んでみました。日本語訳では『九年目の魔法』という題になっているようです。この作家の得意の言葉遊びが、大量に詰まった本でした。中でもNowhereの言葉遊びが、日本語ではどう訳されているのか、気になって仕方がありません。

『黒祠の島』は、ずっと読みたかった本です。たまたま、こちらのブックオフで見つけたのですかさず買いました。でも、他の作品と比べるとちょっと詰まらない、というか単純なような…?ぞくっとする感じはさすがなのですが、謎ときが予想外に素直でした。

The Swallows of Kabulは、日本の話と西洋の話の間を行き来し続けている自分の読書範囲を、もう少し広げようと思って読んでいます。この本だけ、まだ読み中。


それと、キンドルをとうとう買いました。軽さを最重視して、一番安いやつです。目が疲れず、持ち運ぶにも軽く、本を読むには本当に良い製品です。

そろそろ日本に帰国する時期です。帰国前には、旅行の記事もあげるようにしようと思います。

27.4.12

十字架と鎚と。

漫画『ヴィンランド・サガ』の感想というかなんというか。漫画の内容については11巻時点までのネタバレですが、登場人物にまつわる史実についても盛大にネタバレしていますのでご注意ください。
























ヴァイキングとブリテン島の歴史を少し齧って改めて思うのは、作者の物語の紡ぎ方の上手いこと!

例えば「序章」部分で故郷のウェールズと未来の王を守るためにドラマチックな死を遂げるアシェラッドですが、実は、この後イングランドとスコットランドの大半を手に入れることになるクヌートが生涯支配することが無いのが、ウェールズなのです。ちなみにアシェラッドが子孫を自認するアーサー王ですが、現在はアングロ・サクソン侵攻の際に最後に各部族をまとめ対抗し、一時的にではあれ彼らを撃退することに成功した軍人であると言われています。作者はこの話を踏まえて、アシェラッドの動機、クヌートの行動に編み込んでいます。

さらに面白いことに、アングロ・サクソン人がヴァイキングと戦い壊滅したことを物語る『モールドンの戦い』という古英語詩が現存しているのですが、アシェラッドとトルケルという登場人物がこの戦いに参加していたことになっているのです。この戦い自体が直接トルフィンの物語に関与することはないものの、この古英語詩でレポートを書いた自分としてはにやりとするしかない設定です。

クヌートが信仰心に満ちた、というか教会を支援する権力者であったのもまた事実です。ウィンチェスターのハイド修道院に奉納されたLiber Vitaeという写本には、クヌートとその王妃エマが金の十字架を修道院に納める場面が描かれています。この絵では、クヌートは十字架に自ら触れて(というよりわしづかみにして)いて、それは本来はいずれのイギリスの王家の血も引かないクヌートが神より支配権を授かっていることを示すものと解釈されるのですが、幸村版クヌートの持っている、神への反逆心を表しているようにもとれますね。ちなみに王妃が描かれているのも珍しいのですが、こちらは亡きノーサンブリア王エセルレッドの第二王妃だった人で、つまり神からと同時に彼女との婚姻関係を通しても正当な王権を受け継いでいると強調するのが目的だったようです。ヴィンランド・サガに彼女も出てくると面白いのですが…それをやるとトルフィンの物語じゃなくなってしまいますよね。でもちらっとくらい出てくるといいな、と思っています。クヌートの死後も活躍しまくりの女性ですから、きっとどこかで登場すると思うのですが…。


さて、単行本11巻の展開について。


ヴィンランドへ行きつくまでも無く、既にトルフィンのその決意を揺らがすような方向に物語が向かっているのも気になります。主人を殺して逃亡した奴隷、ケティル農場を没収すべく迫るクヌート王の軍勢。トルフィンの自由をケティルが宣言する前に何かが起きるのは必須でしょう。非暴力と暴力の立場が昔とはまるで逆になってしまったトルフィンとクヌート。個人で出会うことがたとえなくとも、クヌートの軍勢と対面することになるトルフィンはどうするのか、何が彼に出来るのか。クヌートの軍にフローキの手下が混じってるのも気になりますね。父の本当の敵は彼だと思うのですが、彼の参加は話の展開にどう影響するのでしょうか。
それにしても、歴史上の人物に加えて魅力的なオリジナルの登場人物を盛り込んであるせいで、歴史ものにありがちなスリルのなさが綺麗に解消されてますね。今舞台に出そろってる主要人物の中で命の危険を危惧しなくて良いのは、主人公のトルフィンとレイフ、クヌートくらいでしょう…。特にエイナルが危なっかしくてはらはらします。


11巻時点の事件が全て曲がりなりにも解決するとして、今度気になってくるのはトルフィンの暴力決別宣言が何処へ向かうのか、というところ。立派な決意だけれど、ヴィンランドでの開拓が最後暴力に終わるのは既にわかっていること。主人公が自分の誓いを破る形でアイスランドへ帰り、余生を送る…ってどうなの、と思うのです。原作のサガでトルフィンは結局、スクレーリング(原住民)との争いが起きたために開拓を諦めざるを得ないのは事実。「ここではないどこか」であるヴィンランドへの幻想が砕けることで、アイスランドを自分の暮らす場所として認める、ということになるんでしょうか。今読んでいるヴァイキングの歴史を辿ったThe Hammer and the Crossで、ヴァイキングたちが唯一暴力に依らずに得た土地がアイスランドである、と述べられていたのが印象に残ります。

29.1.12

炎路を行く者 感想

発売日当日に購入・発送してもらって、3日後に届くから郵便ってすごいですね。まあ、それなりのお値段でしたが…。

試験が終わって他に課題も何もないこの時期に発売され、届いたことに感謝!おかげで集中して一気に読めました。

当然のごとくネタバレです、ご注意!!
















炎路の旅人

まず読んで素敵だと思ったのが、「アル・マ・タルシュ」という言葉。ヨゴ語で「タルシュの下のしずけさ」という意味。おそらく念頭に置かれているのはいうまでもなくPax Romana、「ローマの平和」でしょう。この事実を描くことで、今までチャグムの視点に慣れていた私たち読者に、タルシュ帝国の別な見方が提示されるように思えます。そして、ひいてはラウル王子の人となりについても…。

今まで見えていたタルシュのやり口は、
1.攻め滅ぼす。近衛兵など抵抗しそうな奴らは一族郎党皆殺し
2.重税をかける
3.別の国を滅ぼしたら臣民権「コムス」を与える
※この間、文化・言語・経済のタルシュ化を進める→固有の文化等の消滅、一国としてのアイデンティティを奪う

という感じで…どう見てもあまり歓迎できるものではなく。でも、警邏隊の導入などの徹底的な治安維持活動による「アル・マ・タルシュ」、そして隣国との戦闘行為が消えた今、おそらく交易は潤い、農業もタルシュの高度な技術を取り入れることによって収穫量も増え…今上の帝が(ヒュウゴ曰く)無能な為政者である以上、帝のみが支配するよりも豊かになったのではないか、とも思えます。少年ヒュウゴは夫を亡くした女たちが貧困に喘いでいるのを見て憤っていますが、ヨゴ皇国はもともと、周辺国との戦が絶えなかった国。彼女らの夫がタルシュのせいで死んだのは確かですが、征服されていなかったとしても生きていた保障もないわけです。
そして、先行する作品では「傲慢な征服者」というイメージでしか描かれなかったラウル王子の人柄に関しても、ひとつ新たな面が見えてきます。「枝国は、タルシュの国土。その実りは帝国の実り」と彼が本当に言ったのなら、ヒュウゴが彼の下で働くようになったわけも、分かる気がします。

新ヨゴ側の、北の大陸に戦乱を巻き起こしたタルシュ帝国が、南の大陸では平和を創った、というのは少々皮肉な感じがします。

…さて、真面目っぽい考察もどきは置いておいて。

ヒュウゴーーーー!!d(゚ー゚d(゚ー゚d(゚ー゚d(゚ー゚)b゚ー゚)b゚ー゚)b゚ー゚)b yeah!
というのが最初の感想です、はい。
エキサイトしながら読んでました。
家族を逃がそうとして必死なヒュウゴにエールを送ったり、
下町をシメてるヒュウゴうわー!!とか、
リュアンとの交流におお…!!とか
最後は言葉にならない叫びばかり発していました。


 読了して思ったのが、ヒュウゴはチャグムのようでもあり、バルサのようでもあるのだな、ということ。同じ年頃の二人に出会ったなら、どちらとも気が合っていたのではないでしょうか(バルサとチャグムは、多分会ったとすれば衝突するのではないかと私には思えるのです)。
 『蒼路の旅人』でヨゴの帝のことを「権力争いは得意だが、国を豊かにするすべを知らぬ無能な男」と評するヒュウゴ。帝とヨゴの信仰を真っ直ぐに信じていた少年ヒュウゴと比べ、彼がどのようなことを見て、考えて、成長してきたのかが伺い知れる気がします。






十五の我には


 15歳のバルサ。ってだけでもう嬉しくてたまらないのですが、当然、彼女はまだヒュウゴよりさらに荒れた生活をしているわけで…。とにかく、教養人なジグロが恰好よかったです。詩集…!
 ジグロにどうしようもなく大きな負い目を感じているバルサ。そんな彼女に詩を聴かせるジグロ。その詩がまたぐっとくる内容で。「十五の我には…」と。うん、15歳のときに見える世界と、20歳のときに見える世界、全然違いますよね。私には、ロルアほどはっきり、見えるようになったとは言いきれませんが…。
 

まだまだ書きたいことがいっぱいですが、どうにもまとまらないので、今回はここまで。

2.1.12

金星特急5巻

届きました読みました!!

夏草…!!
おまけペーパーも素敵!

そんな調子で、雑誌連載時もばっちり感想垂れ流しているので単行本(特に書き下ろし)感想いきます。ネタばれますよ!


というわけで、あけましておめでとうございます。
今年もこんな感じでいきますが、よろしくお願い致します。





単行本としてまとめて読んでしみじみと感じたことですが、錆丸、かっこいいですねえ!
夏草やハサン(そして三月)という先生たちから出来得る限り学び、理解し、考え、勇気をふるって実践する。最高にかっこいい。連載時は砂鉄とユースタスの距離感だとかリオンの下衆っぷりにばかり気をとられていましたが、錆丸も本当に主人公らしく活躍していて素敵。

さて、書き下ろしの「チョコレートⅡ:夏草」の感想を。
夏草の過去、意外でした。私もてっきり「兵どもが~」の夏草、だとばかり思ってました。バベルの民だという点だけは予想が当たっていましたが。漢字の読み方は中国人商人から学んだ、とのことでしたが、だとしたらアルベルト殿下は彼に関して多少読み間違いをしていて、たまたま夏草が漢字を読めたので結果オーライ、ということになのですね。殿下(と錆丸)運がいいな…!
しかし、トナカイを放牧してる北極辺りの人、しかもロシア兵がいる辺り、というのはイヌイットの人たちのことでしょうか。 ←5/1すみませんいま読み返して馬鹿な発言に気付きました。イヌイット=カナダ・アラスカの人たちですよね、私は何を考えていたのか…日本人と他のアジア人混同するよりひどい間違いだ。当人方に申し訳ない!!あれですね、中国の北の方やシベリアに住んでる人たち、多分ツングース諸語を喋ってる人たちのことを言いたかったんだと思います。エヴェンキー語を喋る人たちはトナカイ放牧してなかったっけ、たしか…。それに、北極の方(漠然)には、確か東洋系の顔も西洋系の顔も混在していると聞いたことがあります。「ヤラ・イリィ」の意味も気になりますが、この地域、様々な言語が存在するので、スペリングが分からない以上調べるのはかなり難しいかと…(今度作者様にお聞きしてみようかしら)。思っていたより荒んだ過去と言えばいいのか、意外に愛された過去と言えばいいのか、今一つわかりません。鎖様との関係も思ったより深かったですね。心に澱を積もらせていくタイプが生き延びるには、浄化装置を見つけなければならない。心に傷を持つ人間は何かに耽溺する傾向がある、という錆丸の見たてに準ずれば、夏草の小説への入れ込みもこれに当たるのでしょうね。
そして、夏草の料理上手ってもしや、厨房潜りこみ経験&鎖様から学んだ技なのでしょうか。でも厨房イングランド軍、ということは鎖様から…?でも初仕事も社員食堂なので、調理の技術自体はそこで学んでそうですね。
砂鉄との関係も意外に深かったですね。19歳と14歳の出会いって、どうなんだろう。大学生と中学生相当ですよね。でも同じ戦場で出会って。名前も付けてもらって。砂鉄の「身近に料理の上手い奴がいた」っていうのは、彼のことですよね。あまり表面には出なくても、(割と甘い人間同士)仲はいいのでしょうか。
鎖様も、あんな過去があったとは。彼女が傭兵斡旋を始めたのも、草を食む仲間を得たいがためなのでしょうか。彼女の浄化装置、とは。鎖様はずっと謎の女性のままなのかと思っていましたが、彼女の過去を知ってますます好きな人物になりました。
夏草の過去を知った分、ますますユースタスとアルベルトの過去も気になってきます。ジャガイモを喰らう、のは例の人格者なアイルランド人乳母の影響でしょうか。そしてアルベルト殿下、初恋とかしてたんだ。でも他人に対してじゃなくて学問に、だったりするのかな。(今よりは格段に)純粋だったかもしれない殿下も見てみたいけれど、そのまま子どものときからすれてても素敵なような。でも、14歳と言えば殿下がハハリ博士に会った年ですよね。

そして、忘れてはいけないおまけペーパーの女装口座。ふんふん頷きながら聞いてるユースタスも可愛いし、何より錆丸美人!!化粧の仕方でも教えてください土下座。そして錆丸の指導を忠実に実践するユースタスが!あれは砂鉄じゃなくてもやられますね!で、傍らで冷静に値踏みしてる三月がとっても彼らしい。男でもいけるとか…笑。そして、女装指導の成果を欠片も見せない上から目線アルベルトに、完璧の三月、そして無茶ぶり駄目絶対の夏草さんと、各人物とりそろえたオチ。笑わせて頂きました。


あ、そういえば暁玲の金星を探す目的ですが、私は、ひっぱたいてやるというよりは劉強を元に戻して欲しいと懇願してみる方なんではないかと思います。まあ、外れるのが定石の私の推理ですが!

そろそろ風呂敷を畳み始めるころに差し掛かったらしい金星特急。終着点まで、わくわくしながら見守ったり語ったりしたいと思います。




追記:
ふと思いついてしまったのですが、金星、今まで分かった性格からして「金星の花婿募集」とか書かれたポスターを貼るような子に見えないとは思いませんか?だからといって不思議な力を持つ存在がもう一人いるような含みは一切ないとも感じるのですが。あと、ザメンホフが金星探してるのは、完了できてない言語大虐殺を完遂させたいのかな、とか。「世界語以外の言語などあってはいけない」というようなことを発言していたので。

1.9.11

金星特急10話

読めましたよ金星特急!
わざわざ持ってきてくれた友に感謝感謝感謝。
今回もまた盛りだくさんな回でしたね!
さて、いつも通りネタばれます。









地図を更新していて感じたことですが、どんどん登場人物たちがグラナダという一点に集結しつつありますね。王子一行は着いてしまったし、錆丸一行は海を越えればすぐだし。雷鳥様の一行も、アンダルシアにいるのでもうすぐですね。

まずは女性たちから。

彼女らの様子が、だんだんわかってきましたね。
金星の庭に連れてこられた女性陣:

彗星
マリア
クリスティーナ・ベルツ
シータ・クマーリ
ヤスミン・アッディーン
ミシェル・べアール
ヤグチ・ユキ(行方不明)

食べることも眠ることも必要のない、「どこでもない」場所にいる少女たち。彗星が完全に、面倒見役というか、「頼りになるおねえさん」に。姫発見のときの彗星はかっこ良かった!
そして、蜥蜴テレビすごい。酷い。金星は、生物の目から見えた映像を任意の場所に投射することができる、ということなんでしょうか。
しかし、金星パワーの影響がランダムに現われるのは、ああやって金星の気分で起きてるからだったのか…。さすがに彗星もショックですよね…。

緑の庭と金星を夢見ていたはずのヤスミンの弟の所在についても、気になるところですが、今のところ全く出てきません。ヤスミンにああいう夢が見れて、弟君が金星に恋できたってことは、エジプト発の特急、目的地に着いた…んだよ…ね?


雷鳥様一行:
無名が相変わらず苦労人ですね。そしてイェニツェリに狙われながらも、あっさりそれらをなぎ倒し、アンダルシアまであっという間に行ってしまう雷鳥様の一行。一鎖二鎖コンビでは、この二人が最強なんじゃないかという気がします。 
そういえば、ハハリ・ジュニアって、よく考えたら名前じゃありませんよね!(よく考えなくてもそうだ)彼の本名は何なのでしょうか。


錆丸一行:
また錆丸が一段とかっこ良さを増してる!というか、怖いくらいぎゅんぎゅん成長してますね。精神的にも、身体的にも。イラストが成長しすぎて誰だこれ状態…。
そして、三月と錆丸のやりとりにはじんわりきました。大人な錆丸と、対して子どもな三月。戦場で育った彼には、ゆっくり成長している余裕などなかったのだろうなぁ。
夏草の出自もまた、一層気になります。彼は母親の顔だけを覚えていて、そして漢字が読めて。
でも、三月が忘れていたいものを抱えているとしたら、読書中毒の夏草も同じなような気が。そういえば、前に確か三月が、未読の本が切れると彼にしか分からない程度に機嫌が悪くなる、とか言ってましたが、三月が気付く程度ってどれくらいなのかが気になります。今回10話にも「未読の本が切れそうでハラハラする」と夏草本人が言ってましたし、読む本が無くなると何かが起きるんじゃないかと期待してます←
とりあえず、彼はバベル出身じゃないかと勝手に思ってます。


王子一行:
…ヴィットリア様!
人形やらキラキラドライバーやら、ファンシーな小道具をお持ちですね。
というか、アルベルト的な性格とかなりの思考力を持った子どもって、かなり危険な気が。残りの三人が彼女に振り回されるのが目に見えてますね。
…彼女が、ユースタスが女の子だと知ったら、どういう反応をするか…怖いなあ。それとも、あっさりお友達になるという展開へ転ぶか、どちらかでしょう。

ユースタスの出自についても、もう少しわかりましたね。
以前私が騒いでいた、「ユースタスという名前は英語圏の名前」は、リアルユースタスの母が英国人だということで解決しましたね!名前がちゃんと各国の読みになっていて、ごちゃまぜになったりしていないところは本当に凄いです。国ごとの名前がものすごく調べにくいのは分かりますが、あり得ないはずの組み合わせを目にすると、どうも話に入りこめなくなるのです。

彼女の故郷は地中海に面したフランス、8歳までの名前はジャンヌ、実年齢は23歳。もらわれた先は、スウェーデンのユレンシェーナ伯爵家。
…というのを、砂鉄に語るとは!
(ユースタス=砂鉄)←野次馬殿下の関係のバランスも、ますます面白くなってきました。
しかし砂鉄、あの彗星をどうするつもりなんだろうか。話せば分かる…とか…無理そう。…もしかして、砂鉄、気付いてないとか…?「目が覚める」発言は別の意味(無名の気持ちに対してとか)があったとか…いや、ないか。

銀魚の力は、14歳のときに与えられたようですね。てことは、9年前…!


伊織一行
デリーで戦うミヤザキが、一層哀れになってきましたね。何考えてるのかよくわからない美男美女2人に振り回される彼の無事を、心から祈ります。
そして、射手座あんた誰の依頼を受けたんだ!主語が抜けてるぞ主語が!怖いじゃないか!しかも、錆丸が生きてても特に嬉しがる様子も無いのが薄気味悪いよ。
彼女が敵として現われたのか味方として現れたのか、ただそれだけが気になります。


以上、まとまりのない感想の書き散らしでした。

27.6.11

乙嫁3

読みました。


この巻は、一番好きな回かもしれない。
もともと、何と言うか、「リアリティ」には欠ける作風だと感じていたので、「中央アジアをモチーフにしたファンタジー」という位置づけで読み続けていた漫画でしたが、今回は、ちょっと違うかもと思いました。
あ、ファンタジー云々というのは、要するに(当たり前のことですが)日本人目線の物語だな、ということで、けなそうとしている訳では全くありません(むしろファンタジーは大好物)。
スミスさんのエピソード、考え方の根本からの違い、それゆえに起こり得るすれ違いが、綺麗に丁寧に描かれていました。思わず、「酷い」と思ってしまったのは、現代人ならではの感情で、もし明治に生きた人に読んでもらったならば全く違う感想を持つ可能性もあるのかな。こういう場面を漫画で描ける人がいることは、凄いことだと思う。

23.6.11

続・金星4巻

また飽き足らずにつらつらつらと書いています。9話の話も込で。ネタばれます。




この間授業で扱われた「くぐり戸」というH. G. Wellsによる短編に、金星の庭のモチーフになったような庭園が登場してるのを発見してしまいました。
この物語では主人公が5歳ごろに見つけた、とある扉の向こうの世界に魅せられる、というのが大筋なのですが、この扉の向こうにある庭園が、彗星やマリアたちが連れてこられた庭に少し似ているのです。

・花の生い茂る、手入れのされた「庭」のようであること(舗装された道あり)
・人に慣れた豹がいること
・女の子が現れること(ウェルズ:髪の長い、美しくてもしかすると金髪かもしれない少女→"fair"という言葉が使われている)
・噴水があること

まあ、共通点と言ってもこれくらいなのですが、何となく似てるような気がしてきはしないでしょうか。
偶然の一致とは、言えないような。
以前私が厚かましくも「ジョン・ダン氏ってあの詩人からとってますか」とお聞きしたところ「イエス」と答えて下さったこともあるので、これもひょっとすると…。



以下、気になる点。

・夏草の過去。
確か、「俺には帰る国はない」と言っていた、と誰かが回想していたと思います。そして、アルベルトは、「日本人ではないのかもしれない」と考えている。そして他の月氏メンバーと違い、「人一倍、心に澱を降り積もらせていくタイプ」に見えるという錆丸の意見。
日本人でなくて漢字が読めるとしたら、中国、韓国、ベトナム辺りでしょうか。ベトナムなら、フランスに併合されてるだろうからある意味「帰る国が無い」?でもどこかの国のバベルの一族/少数民族なのかなーとも。バベルの一族抹殺依頼に、強固に反対していたらしいですし。あとグラナダって日本の漢字無いですよね、多分。


・黒曜が辞めたってことは、砂鉄が繰り上がり一鎖になるってことなのかどうか。
もしや実質的に一鎖?


・灘陸佐が持ってこようとした情報とは、何だったのか。
バドル移動の話をするためだけに来たのではないはず…。○P的な何かで退場されてしまいましたが…。


・相変わらず正体不明の金星。
金星と言うと、もう荒川の橋の下の彼女しか思いつかなくて、そんな電波な感じの少女しか想像できないんですが…絶対違うでしょうね。
金星の「花婿」って、普通に夫って意味なんだろか、と、今更ながら思いました。それを言ってしまったら「この世の栄華」って具体的に何よ、というのも問題ですが。美しい踊り子とか宴とか、全部あのポスターを見た人の妄想ですものね!


・花婿候補の行く末について。
砂鉄は「花婿に選ばれるのはたった一人、二人とも生き残ることはあり得ない」なんて言ってますが、考えてみればアッディーン双子の片割れの弟の方、特急に乗って失踪した2年前からずっと生きてるんですよね。緑の多い場所で、金星に恋をしている、という夢をヤスミンが見ていて、それだからこそヤスミンも金星に嫉妬せずにはいられなかった訳ですし。
そう考えると、樹になった人たちはともかく、「消された」人たちはどうなったのでしょうね。その存在が本当に抹消されたのか、はたまた摩訶不思議パワーで瞬間移動なんかさせてるのか(そんな甘い…)



事実関係整理

月長石に殺された3人、単行本で名前が抹消されてましたね。
可哀想なので、メモしておきます。
レイフ・オールマルクス、32歳
クリストフ・チャン、29歳
ホセ・サムディオ、37歳
いずれも軍人。


さらに、それぞれ生存者の国籍が単行本に追加されていましたね。

・金星特急内の様子を整理。65ページよりところどころ追加しつつ抜粋。


先頭車両、機関部:黒バベルと白バベル(国籍不明)

2号車、月長石ことセトウチ・ヨウ(日本)→緊急停車時にイヴァンに縛られロシアに引き渡される形で下車(9話)

3号車、レジナルド・ヒューズ(アメリカ)、イヴァン・アニキエフ(ロシア)、ミキタ・タケシ(日本)、トッド・トバイアス(イングランド) 元9号車組

4号車、砂鉄(月氏)、ユースタス・ユーハン・ユレンシェーナ(聖マセッティ騎士団)、アルベルト・サヴォイア(ロヴェレート王国) 元8号車組

5号車、無人

6号車、灘一陸佐(日本)

7号車、バドル・アッディーン(エジプト)→後に8号車に移動(8話)

8号車、殺された三人→バドルにより7号車に移動(8話)


しかし、物語が進めば進むほど、嬉野君さんの知識の深さが見えてきますね。ダンなんて、日本では知ってる人ほとんどいないのに、なんてマニアックな。私だって、授業で扱われなければ知らなかった。ウェルズの方も(推測が正しければですが)今日まで全く知りませんでした。

そして、言語学に関する知識も。母音がどうとか鼻濁音がどうとか、これまたマニアックな話が。もしや、言語学を学ばれたことがあるのでは、と思えてすらきます。正直、多分大多数の読者にとって割と重要ではない部分でしょうが、こういう細かい言語学的説明や設定が、ちょっと言語を齧ってる身としてはとても美味しいのです。

15.6.11

書くことと語ること

金星特急を叫んだあとで、全く毛色の違うものを遠慮なく取り上げてみようと思います。
3つ、連続で語学に関する(かどうかは微妙な)本を読みました。

1冊目のは、世界の文字と言葉の代表的なものを取り上げて紹介した、言葉の図鑑のようなものです。
1言語につき見開き2ページという量なので、情報量が的度でわかりやすいと思います。文字の見本写真がたくさん組み込まれているのも、見ていて楽しい。文字の体系別にざっくりとした説明があり、それからそれぞれの言語を各専門家が解説していくという形です。
中にはネタ的な写真やらを仕込んでくれる書き手もいて、面白いです。
個人的に嗤ったのが、ハンガリー語の

Megörült
Megőrült

前者は「彼は喜んだ」、
後者は「彼は気が狂った」
だそうです。
これ、手書きのときは日本語の「ソ」と「ン」のように、とてもきわどくなりそうですよね!
ちなみに、残りの2冊の著者である黒田龍之助さんも「ロシア語:キリル文字」の項に記事を寄せられています。
いやしかし、世の中には色んな字がありますね!
その中でも漢字って、かなり特殊なんだな、と実感しました。


下の2冊は、前述の黒田龍之助さんの著書です。
名前は前から知っていたのですが、読んだことはありませんでした。
ひょんなことから『その他の~』の方の存在を知り、「役に立たない」「その他の」という言葉につられて手に取りました。で、図書館でその隣に並んでいたのがその次の本。

両方とも、面白かったです。
確かにご本人も申告しているように、黒田さんは少し「ずれた」方だということがひしひしと伝わってきます 笑。
言葉について考えたこと、知っていること、語りたいこと。両作とも、そんな事柄が詰まっていました。

11.6.11

金星特急4巻 感想

敢えて書く必要もないかもしれませんが、いつも通り元気よくネタバレしますのでご注意を。




もう、何から始めればいいのやら!!

大体の感想は、雑誌の方で書いているので、とりあえず書き下ろし「チョコレートⅠ」から。
三月・無名・砂鉄×10歳という、大変美味しいお話でしたね!ご馳走様です。


三月
もしかしたらーと思ってましたが、やはりでしたね。
彼の出身は恐らく現ルーマニア辺りでしょう。近隣の村の少年、ミハイの食べたがっていた料理、バルモシュがそこらへんの食べ物のようです。
そして、強い強い!恐らく書き下ろし三人の中で、10歳時点で一番強いのは彼でしょうね。そこから追い上げるのだから、無名も砂鉄もすごいですけれども。そして、強烈な甘党である理由も同時に判明。大人が食べる黒いもの、自分が食べることができなかったものが、チョコレートだったと。
三月らが巻き込まれていた紛争は、ワラキア・モルドヴァ・トランシルヴァニアの三国の、オスマン帝国からの独立運動にあたるものかと想像します。ルーマニアの歴史は本当に紛争が多いので、あまり自信はありませんが、大体今から200年前に起きたものがそれです。


無名
彼もまた、寂しい過去を背負ってますね。一番「普通」というか安定した性格に見えるのは、彼が月氏に入ったのが結局、黒曜の後を追ってのことで、生き残るためとか誰かを守るためとかの理由では無いからかも。
しかしお祖父さんの「狼を狩る側になれ」との言葉って、月氏の「狼しかいらない」を踏まえているとしたら、それは「月氏を超えろ」というメッセージなのでしょうね。狭い世界にとらわれず、広く視界を保て、と。
そして書き下ろし3人の中で唯一、月氏入国前から名前があったのですね。カナート、という名、どういう意味なのでしょうか。ぱっと調べたところ、イランでは地下用水路の名称のようですが、多分違うでしょうね 笑
ところで彼、本編で雷鳥様と移動中、「彗星が戻ってくるまで」「彼女が無事に戻ってきたら」とか考えてますが、それは砂鉄を信用してのことなんでしょうか。あんなに惚れてるんなら、自分で助けに行こうとは思わなかったんだろか。
黒曜が彼の存在を顧みなかったのも、何か事情があるんだろうか、と、読んでいて思いました。
しかし、お母さんが結局は旦那と上手くいってるっぽいところが、唯一の救いかも。「10人兄弟」ってことは、そういうことだと理解していいんですよ、ね?


砂鉄
名前が、なかったのですね。
「男の子」「女の子」と日本語でいうと違和感がありますが、たとえば英語ではそれほど変な呼び方ではないので、世界語もそういう言葉なのやも。しかし、砂鉄と彗星だけは月氏の呼び名であり本名なのですね。
そういえば、「眼窩」って何でその呼び名なのでしょうか…。東洋人であることは間違いなさそうですが。
それにしてもあの妹に対する溺愛っぷりは、実に堂に入ったものですね!「弟」をつくってやったり、髪を洗って梳いてやったり。命の危険も顧みずに、さらわれそうになった彗星を助けようとしたり。彗星の方も負けずに、兄の真似をして武道訓練を自主的に始めてしまったり。妹も妹なら、兄も兄。
砂鉄が戦う術を身につけようと思ったのも、彗星を守りたいがため。そう考えると、彗星が失踪した時はさぞかし悔しかったでしょう。
10歳の砂鉄の口調がものすごく可愛らしいことに、違和感を感じました。が、よく考えてみれば、砂鉄はあの歳まで多分、ほとんどお母さんと妹としか話していなかったでしょう。父親はあまり帰って来ないまま死んでしまったし、お母さんの使う言葉を同じように使っていたのだろうな。
しかし、「妹を守れるようになる訓練を必要とするか」とか聞いておきながら、何故黒曜は砂鉄が彗星を追うのを止めようとしたのでしょうね。砂鉄をも失いたくなかったか、より深い事情があるのか。より深い事情、の可能性の方が濃厚そうですが。


金星も叶わぬ恋を、の件について。
ちょっと思ったんですが、もし金星が本当に女神のような存在だった場合、彼女は不死身で錆丸はそうじゃない、みたいなものかなー、と。いや、そんな単純なことではない?

暁玲について。
「私が彼に釣り合う年齢でしたら、確実に恋していましたわ」(p110)←彼女が何歳かは分からないけれど、20代ですよね?それなら、かなり錆丸と「釣り合う年齢」かと…。もしや彼女も恋愛沙汰に参戦ごほごほ

ところで、彗星が送ってくる蜥蜴と刀の鐔の文様が伝えたいことって、「錆丸を連れて来い」ってことじゃないかな、と。彼を捜し出す、唯一の手掛かりでしょうから。



後書きもまた大変美味しい感じでしたね。私のずうずうしい質問を取り上げて下さっていて嬉しかったです。どれとは言いませんが。
5巻での書き下ろしは「チョコレートⅡ」で、アルベルト・ユースタス・夏草の過去というこれまた美味しそうなお話になるとのこと。今から楽しみ…なのですが、発売日に確実に読めないので今からがっかりしています。

金星マップ、公式に出たのをみたらルートが大分違ったので、修正しました。いつのまにか5000ビュー越えててびっくりしました。需要あるんですねー。

9.6.11

グリーン・ノウの子どもたち

金星特急4巻、まだ手に入れられてません。まあ、手に入れたとして、今読む暇があるかというとこれまた微妙ですけれども。多分、読むのは土日以降になっちゃうんだろうなあ。

ところでグリーン・ノウシリーズって一応、怪奇現象系の話だったんでしょうか。
といきなり申しますのは、先日グリーン・ノウのドラマなるものを発見して観ることができたからです。

オープニングが、まず、ホラーっぽいんですよ。めちゃくちゃ暗い画面に、揺り木馬がぼうっと浮かび上がっていて。「ファンタジー」って雰囲気じゃないような気が…。

全体的に、とにかく画面が暗いです。そして、86年に制作されたとは思えないようなクラシック感で溢れているんですが、これは意図したものなのかどうなのか。

そして、仕立てが完全に怪奇現象もの。確かに、誰もいないはずの場所から笛の音が聞こえてきたり、笑い声が聞こえたりって、よく考えてみれば怪奇現象ですけども。あの子たちは幽霊で合って幽霊でないところが好きだったのになあ、とも思います。
まだほとんど観られていませんが、冒頭部分の印象を書きたかったのでとりあえず。




4.6.11

ヴィンランド、もしくは桃源郷

放送大学の教授が書いた考察文につられて、ついつい『ヴィンランド・サガ』に手を出してしまいました。

教授曰く「中世のヴァイキング時代を忠実に再現しつつ信仰の危機や暴力、搾取など現代に生きる人間も抱える様々な問題に取り組んでいる」作品。

確かに教授の言う通り、かなり忠実に中世世界が再現されていると思います。ちゃんと漫画らしく、誇張するところは誇張するけれど、時代を逸脱しすぎないように気を付けている感じがします。
何より、最初の1ページ目。白鳥が海の上を飛んでいくシーンなんですが、それを見てすごく心惹かれました。中世北欧の言葉で、海を「白鳥の道」と表現することがあるのですが、きっとそれを踏まえているのだろうと思います。(ちなみに船は「海の馬」、王は「金を与える者」とか言ったりします)

 ――幼い頃に父を殺されたトルフィンは、殺害者であるアシェラッドを殺すことによって仇討をすることを人生の目標としていた。自らアシェラッドの率いる兵団に所属しながらも、軍功をあげるたびに褒賞として「アシェラッドとの決闘」を要求し続ける。しかしアシェラッドの兵団は、やがてデンマーク王のイングランド攻略に巻き込まれていく――

 ざっとこんな感じの粗筋でしょうか。
 こんな粗筋だけでも、これでもかとヴァイキング要素を詰め込んだ話であることがわかると思います。殺された親族の仇討をする「血の復讐」の習慣や、あちこちの勢力に力を貸す「兵団」の存在。そしてもちろん、イングランド攻略という史実。

 もうひとつ、この作品の特徴。登場する人物の多くが「ここではないどこか」を求めていること。それは、「ヴィンランド」というタイトルにも反映されています。「ヴィンランド」とは北米大陸のヴァイキング名ですが、同時に、トルフィンにとっては到達すべき「夢の大地」でもあります。作中の「ヴィンランド」は花の咲き乱れる豊かで平和な土地として想像され続け、「ここではないどこか」の代表格となっています。

 作品の元となっているサガでは、トルフィンはこの後、ヴィンランドへの航海に出ることになっています。漫画ではどのように物語が進んでいくのか、楽しみです。

22.5.11

感想と言うよりは雑感


ここのところ、結構連続で学業とは関係の無い本を読んでいます。

不審火で親友を亡くした主人公に、死んだはずのその友から電話がかかってくる。そして、彼の死の理由を解明してほしいと依頼してくる.。
←魅力的な出だしじゃないか!と思う人向けの物語。ここでひっかかってしまう人には、お勧めできません。



展開は若干読めてしまうし、少々ご都合なところもあり。でも、読めて何が悪いの?それ以上にストーリーが面白ければ問題ないじゃないか!と、主張したくなる本です。


それにしても、携帯電話に亡くなった本人の姿が映し出される、というのはいかにも現代のファンタジーだな、と。きっと、数十年後にはもうこれも古くなって「平成の香り」がする、とか思われるのだろうなあ。



(しかし、彼は本当にこれで納得して「成仏」し得たのか。そこが疑問。疑問に思っちゃいけないのか、疑問に思っていいのか、そこにも考え込んでしまいます。実は成仏してなくて、というか成仏云々は関係なく…という展開でも、畠中さんならありかもしれない、と思ってしまう)

21.5.11

土用丑の日

こちらは、色々考えさせられつつも破滅的に面白かった本。
数年前に、「ウナギの生態解明!」みたいな記事が出ましたよね。その「解明」に尽力した方の著作です。
アフリカにしかいない希少なウナギを捕まえに何カ月も放浪する話。

全く状況は違うのですが、先日アメリカにて「取材活動」な一週間を過ごしてきたばかりなので、こういう達成せねばならない目標のある旅の大変さが身に沁みています。ましてや、「ウナギのうわさを追いかけて発展途上国ノープラン旅」の無謀さですとか度胸ですとかアクシデントですとか、もう想像を絶する苦難があったでしょう。それをユーモアを交えて語ることのできる著者のタフさにはもう、帽子を脱いで放り投げて万歳三唱しても良いくらいだと思います。
そもそも一番最初のページの内容が「リンチシーン」ですから…。

けれども、この本はただのアフリカ冒険譚ではなく、著者の「なぜウナギを研究するのか」という疑問にも答えるもののような気がしています。読みながら一度は頭に浮かぶ、「ウナギの生態」なんて、そんなに重要なのか?という問いかけは、著者も考えたことのようです。
「日本の食とも関わりがあり文化的にも大事」「何千キロも回遊する魚は希少であるから」などの理由もあるでしょう。しかし著者は、ウナギについての教授の講演会を通して「人が人である限り、知的好奇心は心の栄養になっている」と考えるようになったようです。この本もまた、自分の研究を様々な人に還元しようという、著者の試みなのでしょう。

15.5.11

9話続き

前回は、結構忙しくあまり読みなおしたり考えたりする時間と余裕が無かったので、続きをつらつらと続きます。例にもれずネタバレです。



砂鉄が妙に素直でしたね。
いつかアルベルトに仕返ししてやるんだ!とか、
わかりやすい交換とか、
「せめて怯えられずに過ごせることを願おう」←どこまで控えめなんだ!まあその後の邪念で帳消し気味だけど!とか。(でもおそらくリオンの件があっただろう後でも銀魚は健在だからきっと大丈夫なんじゃないk)

そして、ユースタスの髪に指を絡めるとか…ここのくだりもきっと殿下にばっちり見られてるんだろうなあ、と思うと激しく後腐れしそうで心配です。

しかし、お互いの名前を意地でも呼ばない砂鉄とアルベルトが面白いですね。砂鉄はともかく、「僕のボディガードさん」とか「黒の二鎖」とか色々手を変えて呼ぶアルベルトの努力が涙ぐましいという他無し。


純国普と世界語。
世界語が恣意的に始められたらしいことは既に分かっています。が、誰が何故、聖書を改変するほどの、歴史を変えるほどの労力を費やして、世界語を普及させたのだろう。イスラム王朝が200年程早く誕生しているなど歴史がおかしくなっているのは、世界語関連なのか、金星関連なのか。
それにしても、バベルの故事がやたら本気にされてますよね。あれはただの「神話」の一バリエーションでしかないはずなのに、何故かキリスト教とは思えない人も含めて皆が引用してこの世の成り立ちを語る。世界語がつかわれるようになった経緯の、科学的な説明は無いんだろうか。


錆丸の過去。
少しずつ明らかになってきたものの、まだまだ良く分からないことだらけ。
9年前に13歳で金星と出会い、母親が殺され、兄が逮捕された。それ以降、成長が止まった。
でも、錆丸が養父母と暮らし始めたのは物語の「今」から2年前。
9年前から2年前までの7年間、錆丸はどこで、何をしてたんだろう。もし養護施設的なものに入っていたのなら、成長が止まっていることもばれてしまうだろうし、そもそも養父母が引き取るような年齢じゃないこともわかってしまうはず。



ところで。
ヴィットリア王女の持ってた宝石箱って、もしや、アルベルトにぶつけたやつだったりするんでしょうか。だとしたらぜひもう一度げふげふ 
しかし、結構厄介そうですねこのお姫様。ユースタスとばっちり出会っちゃう感じですが、どうするんだろう。「実は女でした、許してね!」じゃ済まないような。砂鉄もユースタスもアルベルトも扱いかねそうなこの王女様、錆丸なら捌けそうだけどいないしなあ。

そうそう、来月の4巻の書き下ろしの話のこと。誰視点か色々と作者の嬉野君さんのところへ予想が寄せられているけれど、今のところ正解者はいないとのこと。うーん、誰なのか気になりますね。今のところ、メインっぽいキャストで書き下ろし視点になってないのは三月、夏草、雷鳥、無名、黒曜(…)、くらいでしょうか。まさかの黒曜…は、ネタバレになるから無いでしょうね。個人的な欲を言えば、夏草視点希望です。何考えてるのか今一分からないから、彼の目線から金星ワールドを見てみたい。でも多分違うんだろな、正解者がいないってことは結構意外なキャラのはず…しかし、4巻に登場するキャラってそんなにいないよなあ。うーん、怪しいのは月氏の面々だろうけれども。


「次号巻頭カラー」予告に胸躍らせるもつかの間、自分は買えない=読めない、ことに気付いてがくっと落ち込みました。うん、ロンドンならまだしも、あそこじゃ絶対無理だよね…(ぐすん)。と、言う訳で、連載を追えるのは多分今回が最後…!むしろ、単行本さえ追えるか怪しい!うわあああん!!

11.5.11

金星特急9話感想+

この忙しい中、読んでしまいました。
 いやもう、何から始めて良いのやらわからないので、思いついたことをつらつら書いていきます。
(激しくネタバレします)



まず、今回の名言。「アルベルトみたいなのが第二王子というなかなか気の毒な国」by錆丸
言いますね、彼。確かに彼のような第二王子と、彼女のような王女様がいれば、ロヴェレート王国は大変でしょうね。さらに純国普の本部もあるし。

ユースタスと砂鉄が微妙な雰囲気になったり良い雰囲気になったり忙しい回でした。砂鉄が離れたと思ったら距離がまた縮まり、縮まったのかと思ったらユースタスが離れそうな感じになったり。
三月にもらったチョコを没収して代わりに自分の氷砂糖を渡す砂鉄は可愛い。(けれど、前から気になってたんだけど、それ、馬用じゃ…。)

アルベルトの性格の悪さとプライドの高さも露出しましたね。わざわざ砂鉄の弱みを確実に突いてくる殿下、本当に良い性格してますね。しかし、心の中で舌を出すとは大人気ない。砂鉄⇔アルベルトの争いって大体妙に低レベル。「オイ眼鏡」「眼鏡って呼ぶな!」とかもう中学生。

リオン気色悪い!気色悪いよ!その言葉通り「ぶっ殺し」てくれ砂鉄(格安で!)と叫びたくなるキャラ。
彼のおかげでユースタスが男性恐怖症になったのは、もう確定ですね。
あの回想部分+リオンのあのシーンで大体何が起きたのか読めた気がします。うう…。
砂鉄、リオンの実態に気付いているのかいないのか。「手首を握らないでくれ」を回想しているから、きっとわかっているんでしょうね。わかっててくれよ!

錆丸、やっぱり9年前に13歳、だった!やっぱり実年齢22歳!
金星特急乗車当初から、砂鉄やユースタスに世話になりっぱなしの自分をすごく悔しがっていたけれど、そりゃこの歳だったら悔しいわー。だってユースタスなんて年下なのに、あんなに強いんだもの。砂鉄だって5歳上なだけだし。
サバイバルやバトルには弱い(というより周りが強すぎる)錆丸でしたが、人間関係に関しては才能が光ってます。鎖様の助けがあったとはいえ、イェニツェリメンバーを分裂させるのに成功するとは。そして、化粧上手だったとは(笑。

でもってヴィットリア王女登場!兄上に似て頑固かつ行動力のあるお姫様のようで。
これから、楽しい道中になりそうです。


少し、世界語について。
ザメンホフってエスペラント語の創始者ですよね。そして、世界語って中国語でエスペラント語のことだ、というのをふとしたことで知りました。ってことは、この世界で喋ってる言語=エスペラント語、という設定?

「花冠のアヒルが蜜蜂の巣を飛び越えた」で網羅するという、32の文字記号、そして11の母音。
蜜蜂という単語に鼻濁音は含まれない。
これだけ、分かりました。今度、エスペラント語の教科書でも、見てみようかと思います。

そうだ、金星マップも更新しましたよー。


そしてアンケートに答えて下さった方々、私の好奇心に応えてくださって、ありがとうございます!


追記:早速ですみません…投稿してすぐに、あ、これ書かなきゃ、と思いだして。

金星の日面通過は、現実世界で2004年6月8日に一度あり、次は2012年6月6日。
物語の始まりは6月6日。8年前に一度日面通過があったという、物語の日付と合致しています。
ということは、金星特急の世界は近い未来を舞台にしているんでしょうか。

それにしても、嬉野君さんは「いかにも」な台詞を効果的に使う名人ですね!
砂鉄の「俺が守る」や、
リオンの「君を本当に愛しているのは、僕だけだよ」(うおおお文字打つだけで気持ち悪い!)とか。
どれも、使う場所を間違えると陳腐に見えてしまう言葉だけれど、このシチュエーションで、あのキャラに言わせることで、すごくいい(/悪い)雰囲気が生まれる。凄いなあ。

追追記:エスペラント語の母音は5つだそうです。ということは違うんですね!ザメンホフさんはジョン・ダン同様に名前を使っただけなのかも。

26.4.11

中世語り



昨日、数時間かけてこの2冊を読みました。
両方とも、中世イングランド関連の書籍です。
専門書ではなく一般の人向けなので情報量は多くはないのですが、著者の桜井さんの語り口や個人的な感想、見解などが交えてあり、面白く読める本だと思います。
この分野そして時代が大好きな人が、素人にも伝わるよう、その面白さや楽しさを語る本、とでも言えばいいのでしょうか。
色んな人に、この楽しさを広めていこう。
そんな熱意が感じられる本だと思います。

何分語り口が軽いので、この分野をこんな軽率に扱うな!と思う人もきっといるとは思います。でも、こういうタイプのものも必要だし、やっぱり基本は楽しむことじゃないか、と私は思うのです。

16.2.11

金星世界考察3

こんにちは、そろそろ「最近は洋書が多めです」のセリフをブログから削除しようかな、と考え始めたWaYaです。

今回の8話で分かったことをまとめてみました。
しかし次々と謎の解ける急展開、なんだか終わりが近いような予感がしてきましたね。まだまだ続いて欲しいし、続けられると思うんですが…。5巻くらいで終わる、とかやめて欲しいよう、8巻くらいまで行けばいいのに。無理に伸ばすのは嫌だけれど、短すぎるのもいや、という微妙なファン心理。


純国語普及委員会:
略称…純国普
本部所在地:ロヴェレート王国
使命…世界じゅうの人間に正しい世界語を使わせること
活動…印刷物の検閲、教育機関での「発音矯正」指導
裏活動…金星のポスターが貼り出された一日後、月氏全員を雇い、世界中のバベルの一族を抹殺する依頼を試みる。しかし資産を凍結されたため断念。

バベルの一族:
世界に約三十部族と言われるが、実は(純国普によると)南米やアフリカを中心に実は92部族いる。

金星堂:
ご利益は実に様々(笑)。
ロンドン…片思い
バリ…仲直り

ユースタス:
 スウェーデンのユレンシェーナ伯爵家の次男。16歳で聖マセッティ騎士団に入団、第三部隊隊長にまで上りつめる。
 しかし実はユースタスは言わば影武者として連れてこられた、妾腹の子。本物の次男は病死しており、悲しみのあまり精神異常にまでなった母親を回復させるために、伯爵が海外でつくった子どものうち一番次男に似ていたユースタスを身代わりにした。この際、大金で彼女を買い取った。熱心なカトリック信者であることは、おそらく故郷が地中海であることと関係していそう。
 瞳の本来の色は、「ブルーダイヤモンドのような淡い青」。身体に棲む銀の魚の魔力を使えば使うほど瞳の色が銀に近くなる。このため男性と見せかけている状態ではサファイア・ブルーになる。


バドル・アッディーン:エスパー双子の叔父さん。始めに弟がエジプト発の金星特急にて失踪、次に姉が金星堂にて失踪、自分が金星の婿になれば二人を取り戻せるのではないかと、金星特急に自ら乗ったアラブ人。と書くと、ものすごく優しい人に聞こえるんですが…危険人物なんですよね、彼は。砂鉄ユースタスアルベルトと仲間になってくれたらいいのに。



こっからは、事実というよりは個人の感想。

月氏ファミリー(色んな意味でファミリー)
夏草:「俺には帰る国はない」っていうのは、どういう意味なんでしょうね。
名前の由来で一番初めに思いつくのは「夏草や兵どもが夢の跡」ですが、もしそうだったら日本人なのでしょうね。

三月:この人は過去が全く分からない人。東欧っぽい訛りでしたっけ?荒れた国で育ったみたいな雰囲気はしますが。
名前の由来:三月ウサギなら、これほど似つかわしい名前もそうそうないかと。「不思議の国のアリス」の気のふれた兎、という意味と共に、三月ウサギ(March hare)の原義は、三月の繁殖期に入って気が狂ったようになった野兎、ですからね(笑。もうそれはそれはぴったりかと。

無名:
10人兄弟(笑 お漏らしにも慌てず対処とは、さすがのお兄ちゃんな風格ですね!
高等教育を受けたことがあるらしい、と殿下が言っていたけれど、この人の身分も意外と重要だったりするんだろうか。


金星マップ、何だかすごく沢山の人が見てくださってるみたいでびっくりしました。もう300ビュー超えてるとは。

12.2.11

金星特急8話感想2

下に投稿しただけでは全く語り足りないので、しつこくも続編をば。
こちらはもっと、にまにま感が増しています。

今回、殿下の本性(?)だか何かがものすごく露出してましたね!下民発言やら、拷問する必要があるとはいえあのサディスト具合やら。瀕死の砂鉄だって、自分の命の保障と直結していなければそのまま看取ってしまいそうな…。
「この、下民が」という殿下のセリフのすぐ後に「悪魔(シャイターン)だ。」という言葉が出てきたときには、つい、ナレーションがセトウチ・ヨウに移ったのかと思ってしまいましたよ(笑。
ユースタスの砂鉄への感情にもばっちり気付いていたけれど、今後どのように関わってくるのか、(色んな意味で)どきどきします。①自分には関係ないと放置、②主に砂鉄を弄くりまくる、のどちらかだと思うのですが、多分後者になりそうな予感が。
とりあえず、回復した砂鉄にはきっと、ねちねちねちねち嫌味を言うんだろうな(笑

砂鉄、前回のヘタレ具合とは対照的に、今回は文句なしにかっこよかった!
でも、妹に会ったらよろしくって言え、って、ユースタス(=女性)が彼を看取ったと伝えられたら、彗星がどんな反応すると思ってるんだ。むしろ、自分も死ぬとか言いかねないような。

そしてユースタスも、とうとう砂鉄を「大事な人」認定しましたね‼!良かった良かった。砂鉄の必死の行動がユースタスを動かすとは、何とも素敵な展開ですね。
もう今回、涙ぼろぼろのユースタスと銀の魚のユースタスが可愛くて神々しくて可愛くて。今話の主役は間違いなく、ユースタスでしたね‼!
回復後、砂鉄はユースタスにお礼言ったりするんでしょうか。きっとしないだろうなとは思いつつ。
 しかし今回の一件で、二人の距離がものすごく縮まりそうですね。まだ列車はバルカン半島で、グラナダまでには砂鉄が回復する時間も結構あることだし、もしかして錆丸が合流する前にくっついてしまっていたりして。そうなると、錆丸の反応がものすごく面白そう(笑。砂鉄には要注意、と考えていた錆丸的には、どう思うんだろな。

あと、(ぶっちゃけもう考えたくない一件ですが)月長石はどうなるんでしょうね。意識の無いうちに、アルベルトが撃ち殺してしまってそうで怖いです。列車に乗車している人間のほとんどから恨みを買ってそうな彼ですから、誰が殺っても不自然ではないでしょうが…。

さらに、ユースタスが女性であることがレジナルド氏御一行様にばれてしまった訳ですが、こちらは今後どのように影響してくるのでしょうね。銀の魚と砂鉄の耳ちぎりの影響が強くて、イヴァンなんかにも「触れたらやばい女」認識されてるといいんですが。

バドル氏の今後の動向も気になります。かなりまっとうな理由で乗車した彼ならば、他の乗員と協力するのもやぶさかではない気がするんですが、「婿」になるためには一人生き残る必要がある、という考えを棄ててくれなければ力は貸してくれないんでしょうね。砂鉄も反発するだろうし(ぼそり)。

以上、抑えきれない諸々の感想でした。
あと、グーグルマップでつくった金星マップをブログの一番下に貼りつけてみました。何か違うんじゃないか、と思ったらご指摘をー。


追記:←最近多いですねこれ
言い忘れてましたが、夏草の活字中毒っぷりには大変共感を覚えます。
一鎖で本の虫だなんて素敵過ぎるほか、本の発売日延期でものすごく機嫌が悪くなる辺りがとっても共感を覚えるポイントです。しかし全ての本を検閲って、純国普はどんだけ大きな組織なんだ。

11.2.11

金星特急8話 感想

強烈な引きに耐えきれずに連載を追う形になってしまった『金星特急』の、第8話(小説ウィングス冬号)の感想です。ばっちりネタばれます。

とりあえず読む前に、冷静になるために、前話最後のそれぞれの登場人物の状況をまとめておきました。

錆丸(with夏草、三月、鳥屋のおじいさん):イスタンブールでイェニツェリ(with黒曜)に囲まれた‼銃撃戦の予感?

特急=ヨーロッパの入り口
砂鉄:月長石の仕掛けた毒吸ってあっさり意識不明
アルベルト:ボディーガードがあっさり倒れて驚く
ユースタス:襲われたショックでコンパートメントに引きこもり中

雷鳥、無名:アルベルトの依頼によりロサンゼルスへ(一体何をしに行った…博物館荒らしか?)

(前前話)
彗星、マリア:謎の庭園にて金星を名乗る少女に遭遇した白い服の女に出会う

と、こんな感じだったかと思います。

おっと、記者のミヤザキと穂村伊織は壁に押し付けられ押しつけつつある状態でしたね!




さて、本編に移ります。なんとなく、小説の進行に沿った具合だったりそうでもなかったりします。

穂村伊織、ミヤザキ:
 やたら物騒な雰囲気を漂わせたオープニング。なんと、伊織さんはものすごく弟ラブな方だった様子。ヤマザキを脅す→社長を出させる→インタビューと引き換えに大金手に入れる→錆丸追跡の旅に出る、という行動に出るとは思いもしませんでした。
 そして(ミヤザキをお供に)紅幇にまで乗り込み、暁玲に会ったのはいいけれど、えええ、暁玲!?
「どうしても金星に会いたいのです」「そして、引っぱたいてやりたいのです」(p141)
などとのたまうとは…。
 そうか、暁玲もゲスト出演じゃなかったんですね!これで、金星特急追跡ご一行のメンバーは、伊織、ミヤザキ、暁玲の三人となりました。

 あの劉強殿の遺木は、どうするんだろう。


錆丸、三月、夏草:
 相変わらずイスタンブールにて、イェニツェリに囲まれたままの錆丸、三月、夏草。銃撃戦か、と思いきや、何やら錆丸を生け捕りにしたいとの敵の目論見、三人は(時々敵をさりげなく撃退しつつも)逃げる逃げる。逃げるうちに、錆丸を狙っているのは純国普(正式略称)であることが判明。口を聞ける程度なら、痛めつけてでも捕獲しろ、とのお達しらしい。
 錆丸を訓練する三月、まさに狂犬。骨折れても治るんだよね、とかどこまでスパルタン‼!あと、いっぺん錆丸を敵に確保させておいてさらにその敵ごと確保してくるとは、何だか砂鉄が優しく見えてくるほど、手荒い扱いですね。
鳥屋のおじいさんも敵だったのか…!黒曜の師匠だったとは、なんてこった。
 そして、最後がまたもや凶悪なまでに続きが気になる感じに。三月はどうするんだろう、そして錆丸もどんな行動に出るか…。


雷鳥、無名:
 雷鳥姉さまが、ロサンゼルスではしゃいでいる!やっぱり無名は苦労性ですね(笑)
そして謎(?)の少年、ハハリ・ジュニア。ガキのくせしてFCUPとはな…。まあ、「たかいたかーい」とか言いながら子どもを10メートル放りあげる雷鳥様も雷鳥様ですが。いやもう本当に無名は苦労性ですね(再度)


彗星、マリア:
 白い服の女の子は、クリスティーナ・ベルツという名前。この子から事情を聞いて、さらにマリアの事情も合わせて、さらわれる女の子の条件がようやくわかりましたね。アットランダムでは、なかったんですね。
 条件とはつまり、「許されない恋」をしている女の子。
マリアは既婚男性との「不倫」、彗星は兄への愛、クリスティーナは女の子が好き。そして彗星の思考のなかでしか出てきていないものの、楽士と恋をしたマハラジャの娘に、弟の恋した金星に嫉妬したヤスミン・アッディーン。 
 では、何のために集められたのか。マリアがものすごく単純な指摘を。金星は恋の相談がしたい、きっと金星も許されない恋をしているんだ、と。こんなふうに簡単に思いついてしまえるところ、マリアも本当に素敵なキャラクターだなあ。彗星は「あるわけがない」と否定しているけれど、マリアの答えが真実である気がします。
 しかし彗星さん、ごくごく平和的に(多分…)、バドル・アッディーンさんと会話したんですね!兄とは対照的。


金星特急=バルカンの山間部を走行中。次の停車地は、グラナダ!スペインですね。
砂鉄、ユースタス、アルベルト:
 さて、今回のメインとも言えるであろう、わかりやすくピンチの三人組。瀕死の砂鉄に、砂鉄が死んだら死亡決定のアルベルトにユースタス。
 でも、いくらなんでもこもりっきりのユースタスに「黒の二鎖が死にかけていますよ」はないだろう殿下よ‼!そしてそれを聞いてあっさりコンパートメントから飛びだしてしまうユースタスの必死さが可愛い(などと言っている場合ではない)
 月長石の所へ行かなければ、と考えるアルベルトに、砂鉄の一言「オイ眼鏡」。…うわあっ、言っちゃったな…。「半死人と口論しても仕方がない」と思っておきながら、次の一言「高給で雇ったのにあっさり倒れたボディーガードさん」で復讐してしまうアルベルトも、大人気ないというかなんというか。ともあれ、ここでやっと劉強の砂鉄への「プレゼント」の中身が分かります。あの、例の強力な麻薬だったとは。
 月長石を脅迫しに行くアルベルト。そしていきなり(もともと耳ちぎられてダメージ大の)月長石に五石散注入‼さらに月長石の自尊心を粉々のバラバラにするような台詞を次々と…。でででででんか、怖いいいいいい!!
 ここで殿下と苦悶する月長石のイラストが挿入され、殿下の鬼畜な表情と月長石の苦しむ顔が恐ろしさを増幅させてきます。

 そして、留守を守るユースタスの元へ来た灘陸佐への言い訳:「殿下は今、シャワーを浴びています」(p173)「砂鉄はまだベッドで……寝ています。私も、シャワーを浴びたばかりで、まだ着替えも済ませていません」(p174)
 微妙な声音で返答する灘陸佐、もしかしてそれこそ三月の言ってたようなアレな関係をイメージしちゃったんじゃないでしょうかね(笑)まあ追い払えたから良しとして。

 アルベルトの行動が皆に知れ渡ってしまって、バドル・アッディーンが砂鉄とユースタスの所へ。動かない身体で何とか自分とユースタスを守ろうとする砂鉄が健気すぎる…。それにしても相変わらず、砂鉄はユースタスを「坊ちゃん」って呼ぶんですね。
 そしてそんな砂鉄を救うため、ユースタスが立ちあがった!上半身を泳ぐ銀の魚。神がかり状態となったユースタスに「平凡な」月長石が敵うはずもなく、あっさりと解毒剤ゲット。そして、イラストの神々しいこと…。
 ユースタスの力、とある「少女」に授けられたものだったんですね。これもやっぱり金星、なんでしょうか。


実に長々と語りましたが、以上です。最初は割と短くまとめようと努力していましたが、最後になって放棄したのが良く分かりますね(笑)


また今度、時間があるときに、新たに得られた情報の方の整理をしてみようかと思います。

追記:
といいつつ、グーグルマップで金星マップを作っておりました。
記憶に頼った適当マップなので、何か間違いがあったらご指摘をー。
http://maps.google.co.jp/maps/ms?ie=UTF8&hl=ja&msa=0&msid=212086683176723747870.00049bf76031fd1808927&ll=41.508577,27.246094&spn=71.912601,158.027344&z=3&brcurrent=3,0x0:0x0,0

8.2.11

WOMBS 2

白井 弓子
小学館
発売日:2011-01-28


勉強が一段落したので、読みました。ネタばれます。

1巻よりは、世界観が明らかになってきたものの、まだまだ分からないことだらけ。





今までは、ハスト国が宇宙からやってきた不法侵入者と闘っているような印象を受けていましたが、今回、実はハスト国は碧王星のごくごく一部である島に位置する国であり、残りはどうやら「セカンド」たち側の国々であることが分かってきました。もともとハスト国を筆頭とする「同盟国」が存在し、そこへ「セカンド」と呼ばれる入植者がやってきて国をつくり、同盟国の国々を配下に組み込んでいった、ということなのでしょうか。

しかし、空から降ってくるビラの内容と言い、ハスト大使にへの主張の内容と言い、まあまあ理論的にはまっとう、というか多数派の意見、という感じがしますね。ハスト=過激派な国、のよう。ただし例の、全く関係ない町を火炎で取り囲み→学校へ追い込み→爆撃=逃げ込んだ人全滅、というやり方もものすごくエグい気が。でも、事前予告は一応あった、らしい。

世界観がちょっと分かってきて、でもまだ分からないのが「転送器官」とニーバスの正体。「クリムゾン」とかいう大きな女性のような姿をしたものが「ニーバス」と呼ばれていたけれど…?あの「ボス」は…?そして80週経てば、転送器官は「産まれる」ことになり、それを防ぐために40週で取り出すのか?生まれた「転送器官」は果たして「器官」なのか?

「赤毛」って、最初はエレナ・モーガンの「ナビ」だと思っていたんですが、違うみたいですね。もしや、アルメア軍曹のナビだったりするんでしょうか。そして、アルメア軍曹のPTSDって一体何によって引き起こされたんでしょうか。

以上、感想というよりは分かったこと、考えたことの羅列でした。