20.1.13

人と言葉

前回の記事、撤回はしませんが、トップ記事にしておくには薄暗いのでもう1本。



こちらの本を、今読んでいます。 日本語版はこちら。

 実は、話す言葉が違っても世界は同じように見えている、というのが、言語学を学んで一番最初に教えられることのひとつです。根拠は、たとえ語彙がなくて言い表せなくても、言葉を重ねれば理解することができること。たとえば、「恨み」という日本語に対する英語の直訳がない、だから文化の違いが云々、みたいな話はよく聞きますが、この「恨み」のコンセプトだって、直訳がなくとも説明すれば、大体の意味は非日本語話者にも分かるのです。だから、言語によって世界の見え方が違う、ということはない、と言えるのです。

 そこに疑問を投げかけたのがこの著者。本当にそうだろうか、と。確かに、理解可能かという切り口からしたら、さきほどのような結果が出るでしょう。この著者は別の切り口から、言語とそれを話す人々をみています。つまり、物事のどのような側面を言葉で表現するのか、という面から見れば、言語によって世界の捉え方が違うのではないか、と。たとえば、日本語では緑のことを青と呼んだりしますが、別に緑と青を同じに見ているわけではありません。でも、それをまとめて呼んでいること、その事実自体に意味がある、という考え方です。

 …というところまでしか、実は読んでいません。紹介したのは前半戦部分、今ちょうど半分を越した辺りまで読みました。

 これらのことから著者がどんな結論を出すのか、まだ見届けられていませんが、とても楽しみです。

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