24.11.11

新刊!

一言だけ、叫んで行きます。

炎路の旅人&バルサ短編、発売決定!!!!



追記:
 本っ当に嬉しいニュースです。守り人シリーズが完結し、「流れ行く者」という外伝も出てしまった今、「炎路」はもう、読者に公開されることなく終わるのかな…と、思っていました。先日「上橋先生新刊」の報が流れて来た時も、特に根拠も無く新しいシリーズだと思いこんでいました。
 あのヒュウゴの話が読めるなんて、本当に夢のようです。発売は1月。私が読めるのは多分、もう少し後でしょうけれど、楽しみに待ちたいと思います。

※ソースはこちらの「守り人の枝穴」です。

7.11.11

ひみつの海

ご無沙汰しています。

 最近、忙しくて本を読む暇が…というか、趣味の本と勉強の本がごったになっていて、今一敢えて感想を書こうという気になる本がありませんでした。が、とうとう面白い本に出会えたので。
 健康自体は、正直普段の状態よりいい感じです。適切な治療を受けられて良かったなあと思っております。たくさんの人に心配していただいて、感謝でいっぱいです。


 …あれですね、小説ウィングスの雑誌の方がもうすぐ発売だそうですね。うおおお金星特急…。そして来月には単行本も出ると…ああああ(、ン、)。一応我慢する心構えで来たはずなんですが、文庫だけなら他の書籍と一緒に送ってもらえば…などと早くも悪魔の囁きが聞こえます。チョコレートⅡが読みたいです。ユースタス夏草アルベルト。(でも11話も読みt。)
 と、語り出すと切りがないので自粛します。本当、ここまではまった作品は久しぶrはいストップ。


そして、本の方。こちらです。
Sven Hedin
I. B. Tauris & Company
発売日:2010-02-02


訳などは未確認ですが、日本語版もいくつかあります。
スウェン・ヘディン,岩村 忍
角川書店
発売日:1968-03-30

かつて楼蘭王国を栄えさせた、中央アジアのロプノール湖。この湖、何百年も流動状態にあり、北へ南へ、何百キロとなく移動しているらしいのです。かつてプトレマイオスもこの湖に混乱させられ、彼の制作したアジアの地図にはこの湖が2箇所に記されているそうです。
 この湖に乗りだしていくのが、著者のスウェーデン人、スヴェン・ヘディン。1934年4月、彼は旅を始めます。目的は、この湖へ繋がる川を辿り、地理を記録すること。と至って真面目なのですが、この著者、冒険中毒で、もう文章から乗り出す時のわくわく感がびんびん伝わってきます。何せこの時代なので、まずは地元の有志を募って召使や料理人として雇い、自身は大した仕事はしていないのですが…それだけに、周囲に目を配る余裕があるのでしょう、見事な描写で地理や人々の様子を伝えてくれます。
 何より素晴らしいのが、これが実話であること。日本語版は未確認ですが、英語版の方にはところどころ写真が挟んであり、これがまた、とても興味深いのです。
ちなみに英語文は、この時代に書いたものなのに簡潔で分かりやすく、さっぱりとした雰囲気です。そこらへんの文学作品より、絶対に読みやすいです。
 問題は、アルファベット表記なので地名や人名に漢字が付いているのかなどがさっぱり分からないことですが(中国の人も出てくるので)…これは、日本語版ではどうなっているのでしょうね。
 ヘディンさんの冒険記の内の1作は、プロジェクト・グーテンベルクでも入手することができます。

 あ、ちなみに記事タイトルは、私が昔補習校で書かされた絵本というか短い本です。おそらく補習校の宿題のなかで唯一楽しめたものではないかと思います。人里離れた山の中に、突如として海が現れる。数か月留まっていたかと思うとまたふと移動してしまうその海と一緒に旅をするリスの話でした。大きさ自体は湖水地方の湖のひとつくらいだけども、塩水なので海と呼ばれている、という設定だったと思います。当時の私が「塩水湖」という概念を知っていようはずも無く…。まあ実を言うと、当時アーサー・ランサムファンだった私がオマージュ的にタイトルを盗んだっていうのもあるんですけどね!

それでは、また。

19.10.11

イギリスの医療

こんにちは。唐突ですが、ここ10日間、入院してました。

なんだかここ数週間の通院→入院→退院→通院のおかげで、イギリスの医療制度についてやたら詳しくなった気がします。
このままにしておくのはもったいない気がするので、分かったことをまとめてみようと思います。そもそも留学する前、一番不安だったのが医療制度とかかるお金のことでしたし、意外に情報が見つからなくて余計に不安になりましたし。持病があるけれど留学したい方のお役に立てれば。このブログの普段の趣旨と著しく乖離してはいますが…。



基本情報: 
イギリスには、NHS(National Health Service)という医療制度があり、国民に無料で医療サービスを提供しています。イギリス国籍が無くとも、6ヶ月以上滞在する予定のある人にはこのサービスが適用するようです。薬を処方してもらう時には、薬1種類(←ここ重要)につき現在は7ポンド40ペンスかかります。1種類ごと、なので実は量は関係がないようです。軟膏などは、一度に大量にもらっておくと長持ちします。

注:歯科は、NHSの医療サービスに含まれていないという話も聞きました(要確認)


医療システムのあらまし
病気になったときは、まず、地元のGP(General Practitioner:一般家庭医)にかかります。風邪でも水虫でもなんでも、とりあえずここで診てもらいます。ここの医師が自分の手に負えないと判断したときには、専門医の居る病院へまわされることになります。こちらの予約は、GPがやってくれます。緊急性が無いと判断されると、かなりの期間、待たされることになるようです。


実際の手順

1.自分の住所の近くのGP(General Practitioner)という地元の医院を探し、そこへ行って登録をします。パスポート(=ビザ)があると安心です。

2.1週間ほどでNHSの登録証が送られてきます。

3.登録した医院に電話し、まず看護師との電話面談を予約します。イギリスでは電話ごしでも、薬を処方できるようです。電話面談で用事が済まなければ、実際の診察を予約することになります。ちなみに、電話のときも実際に診察されるときも、本人確認のために誕生日を聞かれます。

4.予約した時間に医院へ行き、看護師の診察を受けます。薬を処方されたら、処方箋を薬局へ持って行きます。お金を払うのは、ここです。1処方薬につき£7.40です。クレジットカードも使えます。

5.看護師に専門医による治療が必要だとされれば、適当な病院へ紹介されます。看護師が予約などは全て行ってくれるので、指定された時間に病院へ行き、診察を受けます・

6.病院へ行って、入院が必要とされた場合も、入院代(食事など含む)は無料です。処方代だけ、後でGPを通して払います。ベッドが空かないと、長期間待たされることもあります。

7.入院します。必要な科のベッドに空きが無い場合、一時的に別の科の病棟に入れられることもあります。別の病棟に入れられた場合、そこではまともな治療はほとんど受けられません。おそらく、ベッドが空いた時にさっさと移動しないと他の患者にとられてしまうから、とりあえず入院させるのだと思います。不安になりますが、じっと待ちましょう。食物アレルギーなどがある場合は、しつこいくらい主張しておきましょう。何も言わないと無視されます。

8.退院します。学校などへ提出する入院証明が必要であれば、医師に申告するともらえます。無料です。

9.処方や診断などの詳細の載っている紙を渡されるので、これをGPに渡しに行きます。薬が切れた場合は、ここで再度処方してもらいます。3回同じ薬を薬局でもらえる処方箋や、無制限に薬をもらえる処方箋も存在するようです。

10.何か別の専門的な治療が必要な場合は、詳細が後日病院より手紙で送られてきます。

11.数週間以内にもう一度専門医にかかり、病気の再発などがないことを確認してもらいます。



電話を持っていない
基本的には電話が無いとどうしようもありませんが、どうしてもというときには、早朝に医院へ行って張り込むと診察してもらえます。

定期的に処方される薬がある
定期的に薬をもらうなら、PPC(Prescription Pre-payment Certificate)を購入すると良いでしょう。PPCとは、処方代の定額前払いのようなもので、3ヶ月分と12ヶ月分があります。3か月以内に4つ以上薬を処方される見込み、あるいは12か月以内に14以上薬を処方される見込みがある場合は、こちらの方が安いです。PPCは、インターネットや電話を通して購入することができます。

NHS未登録/登録証がまだ手に入らない
この場合は、誰でも診てくれるWalk In Centreに行くと良いでしょう。かなり待たされますが、とりあえず診察が受けられます。

日本でもらってた薬を伝えたら、そんなもん無いよと言われた
日本で販売している薬の名前は大抵は商品名ですので、イギリスでは違う名称で流通していることが頻繁にあります。ウィキペディアなどで性質や原材料、別名などを調べていくと、処方がスムーズになると思います。
また、日本では認定されていてもイギリスではまだ認可されていない薬も、稀にあります。その場合も薬の性質や役割を伝えれば、似たような薬を処方してもらえると思います。

電話をくれると向こうが言ったのに連絡が無い:
よくあることです。この場合は、しつこいくらいこちらから電話をかけて、こちらが不安であることを伝えましょう。たらいまわしにされることも多いですが、十分主張すれば話は通ります。

6ヶ月以内の滞在:
とあるnurse practitionerの方曰く、「6ヶ月以上のビザやイギリス国籍、永住権を持ってないひとは医療サービスを断られる可能性があるけど、聞かれなければ言う必要無いよね!あ、私何も言わなかったからね!」→結論・とりあえず行ってみましょう。ちなみに私は6ヶ月以上のビザを持っていますが、それについて聞かれたことは一度もありませんでした。大学の名前くらいしか聞かれなかったし、パスポートも見せる機会は実際にはありませんでした(必要だとは聞いていたのですが)。


こんなところではないでしょうか。
(もし、質問などある方がいらっしゃれば、遠慮なくどうぞ!)


ちなみに、食事はものすごーく不味いです。イギリス料理の最低の形態です。一目見ただけで「低予算」「野菜不足」「…驚きの3品目…orz」などという言葉が浮かんできます。正直、カメラを持ってくれば良かった…(ゲテモノ記録的な意味で)!と、入院中後悔しました。が、(少なくとも私の入院したところには)患者用の冷蔵庫がありますので、友達などが食料品を差し入れてくれた場合も保存しておくことができます。また、目の前にだされた料理が気に入らなければ、別の選択肢がある場合がほとんどですので、他のメニューがないか聞いてみましょう。

1.10.11

5-7日目

5日目:
実はこれは人工の池で、思いっきりレイキャビーク市内。
博物館を再び訪れた。ここの展示も実によく考えられている上見学者が少ないので、余裕で一日過ごせる。というか、すごさないともったいない!そこまで大きな博物館ではないが、見応えはかなりある。ついでにレイキャビーク市内も散策。なんというか、平和な町である。













6日目:
レイキャネス半島のニャルヴィーク(Njarðvík)へ移動した。空港へのバスなどは大量にあるので別に朝から移動することもなかったのだが、「ヴィーキンガヘイマル」(Vikingaheimar:ヴァイキングの世界という意味らしい)というちょっとした博物館のようなものを訪れたかったのだ。ニャルヴィークへ行くバスを待っていると、サラリーマン風のアイスランド人のおじさんに話しかけられた。どこから来たのか、何をしているのかなどと、一通りの会話をしたあとで、「ここは本当に美しいですね」と言うと、なにか恥ずかしそうに微笑しながら、「いや、ただの田舎町ですよ」と言われた。これがNYだったら、「そうさ、NYは世界一の街なんだよ!」とか言い出すだろうに、何とやわらかい性格なんだ、と妙に心に沁みた。サガやエッダを読むと、名誉を守るためには死をも覚悟する勇猛な人々、という印象だが、何時の間にこんなやさしい人々になったのだろう。やはり、厳しい土地柄だと助けあいや協力の方が重視されるようになっていくんだろうか。
アイスランド初日にも訪れた宿へ戻り、荷物を置いて、散歩がてらヴィーキンガヘイマルへ。海辺で、非常に気持ちの良い場所である。ここは、ヴィンランド・サガに記録されている、アメリカ大陸へのヴァイキング船の航海を検証した船、 Íslendingur(The Icelander)が保存されている場所なのだ。この船は、何とNYにまで行き、帰って来たらしい。アメリカに配慮してのことなのかは今一分からないが、何故か展示は英語ベースだった。
屋根の上に登ってみたのは内緒←
ヴィーキンガヘイマルの側に、アイスランドの伝統家屋である、草の生えた屋根のある家がいくつか並んでいるのに気付いた。展示らしい。いくつか違う時代のものがある気がしたが、何せアイスランド語で書いてあるのでさっぱりわからない。次ここへ来ることがあれば、アイスランド語を僅かでも理解できるようになっていたい。
帰り道、池のようなものが幾つかあった。近寄って見ると、大量の鳥の羽があり、水鳥の憩いの場所になっているようだった。その側に、鳥の死骸が。ああ…と思ってしばらく眺めると、何か見慣れた鳥と違う気がした。見つめているうちに、くちばしが独特の形をしていることに気がついた。何と、パフィンの死骸だったのだ。海から流されて、ここで力尽きたのだろうか。
いきなり現われた妙なランプ。全部で5体。
途中で、スーパーを見つけたので、晩飯と朝飯を確保しに入った。
バイトらしき兄ちゃんに、「このアジア人の子、何しに来たんだろう」的な目線で眺められた(正直彼より私の方が年上だと思うんだけどね…)。アイスランドでいちばんアジア人アウェー感が激しかったのは、このスーパーの中かもしれない。(しかし、キティちゃんは子どもコーナーで幅を利かせておりました)
宿に戻ると、部屋にフランス語圏スイス人のおっさんがやってきた。彼は一ヶ月ほど、車を借りてアイスランド中を周っていたらしい。家族へのお土産をどうやって二つのトランクに納めるかで、頭を抱えていた。一緒にお茶を飲んで、旅の話を聞いた。かなり北の方へも行ったらしいが、一度死にそうになったそうだ。早朝に雪の積もった道をドライブしていたら、道を見失い、気付くと全く道路でない場所を走っていたらしい。いつ車が空を踏むか、生きた心地がしなかったと言っていた。各地で撮った写真をたくさん見せてくれたが、これがまた素晴らしい。やはり、こういう旅もしたいな、と改めて思った。
夜9時ごろ、おっさんがまた近寄ってきたかと思うと、「オーロラが見たいか」と聞いてきた。頷くと、外へ連れて行ってくれた。ホステルの外は、ほとんど明かりが無い。彼の指す方向を見ると、緑色のぼんやりとした線が、すっと走るのが見えた。そのまま見ていると、線は揺らめきながらだんだんと広がり、うっすらリボン状になっていき、やがて消えた。と思うと、別の場所でまた緑が走り、また揺らめきながら広がり、消えていく。不思議な光景だった。


7日目:
早朝、ケプラヴィーク空港へ。タクシーを呼ばなければならないところをスイス人のおじさんの厚意により、一緒に連れて行ってくれることに。一瞬、「これ危ないパターンなんじゃないか」とも思ったが、家族への大量のお土産を信用して甘えることにした。もちろんというか運良くというか、無事に空港に着いた。8:30には飛行機に乗り、3時間後にイギリスマンチェスターへ到着した。

26.9.11

4日目

4日目:
かねてから行こうと思っていた、乗馬ツアーへ。値段が張るのだけれど、他の国、特に日本で行くともっと高い。しかも、アイスランドの馬にまつわる歴史も、面白い。これはもう乗るしかないと思い、申し込んだ。
宿に車が迎えに来てくれて、郊外の馬小屋へと向かう。私の申し込んだツアーには、私の他もう一人、ヘーゼルの瞳のフィンランド人の女性がいるのみ。二人+ガイドで、馬に乗って出発。馬は普通のよりもはるかに小さく、腹が樽のように丸い。トールキンの「ホビット」の、腹の丸いポニーたちはこれのイメージだったのかも、と思った。
出かけてすぐに、トルトというアイスランドの馬独特の足並みを体験したが、乗り方が悪いのか酷く弾む。景色は、はるか向こう(とその時は思われた)に低めの山並みがあるだけ、あとは周りは完全なる平野。しかし、よく見ると溶岩らしきものの上に草が生えているらしく、とてもぼこぼこしている。
しばらくすると川に差し掛かり、そこで休憩した。鞍を外し、馬の手綱の片側を外し、一本になった綱を手で握りながら、お昼を食べる。手に持ったサンドイッチを、馬が物欲しそうな目で見やりつつ、にじり寄ってくる。フィンランド人女性の話を聞いた。なんと彼女は、グリーンランドからヨットでアイスランドへ来たらしい。アイスランドは2回目だそうだ。この国には毒のある植物がないの、と何だか嬉しそうに言っていた。ちなみに、蝶もいないそうだ。



休憩の後はまた馬にまたがり、別の方向へ。だんだんと、遠くだと思っていた山に近付いてきた。山は、元々は火山だったという雰囲気の、岩や細かい石で覆われている。ところどころ、苔が生えている。ここでまた休憩し、写真を撮った。フィンランド人女性がかがんだかと思うと何かをぱくっと口に。ツルコケモモ(Crowberry)だと教えてくれた。確かに、よく見ると苔上の植物に黒い実が生っている。甘酸っぱい。

山を下り、元の馬小屋へ向かう。途中で、アイスクリーム小屋だったものが廃墟になっている。ガイドが、ここはエルフが住んでいるので、この小屋が焼けてしまった後、誰も手を付けられないのだと言う。馬小屋の側にも同じ理由で何も手を加えられない丘があり、人間がそこをいじると、所有している馬が一頭死んでしまうのだそうだ。
しばらくいくと、道路に出た。真っ直ぐな道路を、ひたすら並み足で進む。自動車教習中でさえ、真っ直ぐな道では必ず眠くなっていた私だから、例に洩れず睡魔に襲われた。危険だ、危険だと思いつつも、意識は遠のいていく。結局、道路を歩いた時間の半分くらいはうとうと状態で過ごしたように思う。意外にも、馬上でだって眠れる。

馬小屋の近くまでくると、また木が生えている。ナナカマドの木にフィンランド人女性が馬を進めたかと思うと、ひょいと摘んで口に入れた。聞くと、普段は酸っぱすぎるのでジャムにするのだと教えてくれた。
馬上にいたのは5,6時間。馬小屋に戻ると、サービスのコーヒーとケーキが待っていた。そのまま、送迎バスに乗り宿に直行、20:00頃には眠っていた。

19.9.11

3日目

3日目:
丁度奇しくも同じ時期に訪れていた教授に会うことができた。まずレイキャビークの古めの教会に案内していただく。次に議会堂と、国立博物館へ。ここもまた、ハイテク×歴史×ハイセンスの展示で大変に素敵。しかし、古アイスランド語が読めないのが悔しすぎる。子どもコーナーには、私も着れそうなサイズのバイキングな衣装があったが、流石に年相応という言葉を胸に思いとどまった。同じ場所に鎖帷子も置いてあったが、これが重い!12kgあるそうだが、米袋を担ぐときのように、重量が一点に集中するのではなく、身体全体に重みが追加されるところがミソなのではないかと思う。私が読んだサガ関係の書籍には「当時鎧をまとったまま泳ぐことは英雄的な行為と見られていた」とあったが、確かにこれを着たまま泳げたら、それだけで相当な勇者に違いない。


次に行ったのがアイスランド大学の図書館。とっても雰囲気がいい。個室もたくさんあり、勉強スペースもあり、カフェもあり、wifiも飛んでおり、至れり尽くせり。
図書館のあとはCulture Houseへ。アイスランドの古文書が展示してある場所。…だと思っていたが、重要な文書のいくつかはデンマークが持っているそうで、コピーしかないものもある。しかし、ニャールのサガなど、私が読んだことのあるものの原本もいくつかあった。そして、別室ではアイスランドPR映像のようなものが流れている。しばらく見入っていたところ、猟師らしきおじさんがパフィンを網で捕らえ、じたばたもがくそれの首を指ではさみ、きゅっとな…!ぐったりするパフィン…これを映すのか…と、衝撃を受ける。その後、何重羽ものパフィンを襟飾りのようにぶら下げて、おじさんが崖から降りてくる映像→孫らしき男の子が、指に付いた血をぺろりとなめる映像→料理の映像へと流れる。別に残酷だとか野蛮だとか何とか言うつもりもないけれども、日本では絶対公開しない映像だなあと思った。

宿に戻ると、ベルギー人二人、スウェーデン人二人など人で一杯。情報交換して一日が終わる。

12.9.11

1日目~2日目

予告通り、アイスランドの方の旅行レポート始めます。長いので分割で。

1日目:
 JFK空港のアイスランド航空ロビーは、明らかにヨーロッパ人で一杯。というかアジア人は私だけである。激しく懐かしいアウェー感が早くも復活。23:45頃にケプラヴィーク空港に到着、タクシーで宿に向かう。相部屋なので中で電気を付ける訳にもいかず、暗闇の中シーツやらリネン類をセットし、睡眠。

2日目:

 留学用の荷物を宿に預け(2500kr)、レイキャビーク行きのバス停を目指すもどの方向かわからず、迷ってるうちに一本逃す。9:15発の次は11:30。仕方なく宿に戻り、他の客と今度は一団になってバス停を探す。これから数カ月レンタカーでアイスランドを周るというユダヤ人カップルと、カナダ人の女の子と。ユダヤ人の男性の方、私の荷物を途中持ってくれた。紳士!カナダ人は山用リュックと手提げかばん一杯にビール・ウィスキー及びアイスランドの酒などの酒類を持っていた。リュックは15キロあるそうだ。


 外は晴れ。今まで一カ月もいたニューヨークと比べると、空が果てしなく低く思える。おそらく、高層ビルなどの高度を比較できるものが無いからだと思う。そして、だだっ広く山が無い。遠くに少し見えるだけ。空の面積が広いためか、一度に実に様々な種類の雲が見える。 バス停らしきところで待っていると、後ろにあったドライブスルー式の売店のおっさんが顔を出し、バスが遅れることを教えてくれた。


レイキャビークに着くと、早速現在地がわからない。近くのアイスランド人らしき人に聞くと、親切に教えてくれた。そのまま荷物を引きずり、今日の宿を目指す。通り名が複雑で覚えきれず途中でまた迷ったが、地図とにらめっこしていたところ、車に乗ったおじいさんが手招きする。これまた親切に、道を教えてくれ、無事辿りついた。すると、この宿では荷物預かりはタダだと発見。畜生と思ったが後の祭り。


 既に午後1時を回っていたので、Settlement Exhibitionを訪れた。最古のバイキングの家を保存してあるというだけの施設なのだが、展示がハイテクで驚いた。まず、壁に360度張り巡らされたアイスランドの風景に、ところどころ四角く区切られた場所があり、近寄ると、当時の生活音の再現と、当時の装束を着た人々がその暮らしを再現する映像が流れる。それが、再現映像そのままではなく、登場人物を白くぼんやりとぼかしているところが、何だか「土地の記憶」という雰囲気を醸していてとても素敵だ。その他にも、タッチパネルで説明を見ることができたりなど、私の語彙では説明し尽くせないほどのハイテク展示の山に遭遇した。また、遺跡自体の真ん中の炉の部分にも、ある角度から見ると本当に火が灯っているように見える仕掛けが施してあり、素敵だった。中世とハイテクのコンビネーションが絶妙な展示だった。

 見終わったあとで、うっかり昨晩からずっと食事をしていないことに気付く。そろそろ限界を感じ、宿に帰るとカナダ人の女の子に出会う。運良くベジタリアンだったので、アレルギー持ちの私にも優しい、ベジタリアンレストランを知っていた。喋りながらレストランへ連れて行ってもらう。レストランに置いてあった水は三種類。レモンのスライス入り、オレンジとレモンのスライス入り、リンゴのぶつ切り入り。正直味は特に変わらない。ホステルのシャワーは、聞いていた通り硫黄のにおいがするお湯を出した。

1.9.11

金星特急10話

読めましたよ金星特急!
わざわざ持ってきてくれた友に感謝感謝感謝。
今回もまた盛りだくさんな回でしたね!
さて、いつも通りネタばれます。









地図を更新していて感じたことですが、どんどん登場人物たちがグラナダという一点に集結しつつありますね。王子一行は着いてしまったし、錆丸一行は海を越えればすぐだし。雷鳥様の一行も、アンダルシアにいるのでもうすぐですね。

まずは女性たちから。

彼女らの様子が、だんだんわかってきましたね。
金星の庭に連れてこられた女性陣:

彗星
マリア
クリスティーナ・ベルツ
シータ・クマーリ
ヤスミン・アッディーン
ミシェル・べアール
ヤグチ・ユキ(行方不明)

食べることも眠ることも必要のない、「どこでもない」場所にいる少女たち。彗星が完全に、面倒見役というか、「頼りになるおねえさん」に。姫発見のときの彗星はかっこ良かった!
そして、蜥蜴テレビすごい。酷い。金星は、生物の目から見えた映像を任意の場所に投射することができる、ということなんでしょうか。
しかし、金星パワーの影響がランダムに現われるのは、ああやって金星の気分で起きてるからだったのか…。さすがに彗星もショックですよね…。

緑の庭と金星を夢見ていたはずのヤスミンの弟の所在についても、気になるところですが、今のところ全く出てきません。ヤスミンにああいう夢が見れて、弟君が金星に恋できたってことは、エジプト発の特急、目的地に着いた…んだよ…ね?


雷鳥様一行:
無名が相変わらず苦労人ですね。そしてイェニツェリに狙われながらも、あっさりそれらをなぎ倒し、アンダルシアまであっという間に行ってしまう雷鳥様の一行。一鎖二鎖コンビでは、この二人が最強なんじゃないかという気がします。 
そういえば、ハハリ・ジュニアって、よく考えたら名前じゃありませんよね!(よく考えなくてもそうだ)彼の本名は何なのでしょうか。


錆丸一行:
また錆丸が一段とかっこ良さを増してる!というか、怖いくらいぎゅんぎゅん成長してますね。精神的にも、身体的にも。イラストが成長しすぎて誰だこれ状態…。
そして、三月と錆丸のやりとりにはじんわりきました。大人な錆丸と、対して子どもな三月。戦場で育った彼には、ゆっくり成長している余裕などなかったのだろうなぁ。
夏草の出自もまた、一層気になります。彼は母親の顔だけを覚えていて、そして漢字が読めて。
でも、三月が忘れていたいものを抱えているとしたら、読書中毒の夏草も同じなような気が。そういえば、前に確か三月が、未読の本が切れると彼にしか分からない程度に機嫌が悪くなる、とか言ってましたが、三月が気付く程度ってどれくらいなのかが気になります。今回10話にも「未読の本が切れそうでハラハラする」と夏草本人が言ってましたし、読む本が無くなると何かが起きるんじゃないかと期待してます←
とりあえず、彼はバベル出身じゃないかと勝手に思ってます。


王子一行:
…ヴィットリア様!
人形やらキラキラドライバーやら、ファンシーな小道具をお持ちですね。
というか、アルベルト的な性格とかなりの思考力を持った子どもって、かなり危険な気が。残りの三人が彼女に振り回されるのが目に見えてますね。
…彼女が、ユースタスが女の子だと知ったら、どういう反応をするか…怖いなあ。それとも、あっさりお友達になるという展開へ転ぶか、どちらかでしょう。

ユースタスの出自についても、もう少しわかりましたね。
以前私が騒いでいた、「ユースタスという名前は英語圏の名前」は、リアルユースタスの母が英国人だということで解決しましたね!名前がちゃんと各国の読みになっていて、ごちゃまぜになったりしていないところは本当に凄いです。国ごとの名前がものすごく調べにくいのは分かりますが、あり得ないはずの組み合わせを目にすると、どうも話に入りこめなくなるのです。

彼女の故郷は地中海に面したフランス、8歳までの名前はジャンヌ、実年齢は23歳。もらわれた先は、スウェーデンのユレンシェーナ伯爵家。
…というのを、砂鉄に語るとは!
(ユースタス=砂鉄)←野次馬殿下の関係のバランスも、ますます面白くなってきました。
しかし砂鉄、あの彗星をどうするつもりなんだろうか。話せば分かる…とか…無理そう。…もしかして、砂鉄、気付いてないとか…?「目が覚める」発言は別の意味(無名の気持ちに対してとか)があったとか…いや、ないか。

銀魚の力は、14歳のときに与えられたようですね。てことは、9年前…!


伊織一行
デリーで戦うミヤザキが、一層哀れになってきましたね。何考えてるのかよくわからない美男美女2人に振り回される彼の無事を、心から祈ります。
そして、射手座あんた誰の依頼を受けたんだ!主語が抜けてるぞ主語が!怖いじゃないか!しかも、錆丸が生きてても特に嬉しがる様子も無いのが薄気味悪いよ。
彼女が敵として現われたのか味方として現れたのか、ただそれだけが気になります。


以上、まとまりのない感想の書き散らしでした。

24.8.11

再トライ

以前、アップしようとした写真たちを、また。

まずは、飛行機で撮れた写真を。
色々あってビジネスクラスにチェンジしてもらったため、窓の外がしっかり見えて楽しいフライトでした。

飛び立ったすぐ後は、こんな感じの空でした。
それが、だんだんこんな色になり…
陸も見えました。多分、カナダだと思います。
そして、友と行った「トップ・オブ・ザ・ロック」というビルから撮ったエンパイア・ステート・ビル。友が、一週間でNYの名所を周り切る!とはりきっていたので、いつもは行かない、いわゆる「観光スポット」ばかりを巡る日々でした。

エンパイアの方から撮った写真たちもあるのですが、そちらはまた今度。

12.8.11

きんぼし

金星特急10話、まだ読めてません。読めるかどうかもよくわからない…orz
絶対に読めないことが確定したら、ネタバレ感想を漁り始めようと思います。
そんな訳で地図はまだ、更新できません。

下に、NYの写真を色々上げていた(はずだった)記事は、写真が何故か消えてしまったので一旦しまいます。


さて、最近読んだ本…が、無いんですよ実は。
今度アイスランド行くので、エッダだけじゃなくて、サガの本格的なやつ(の現代語訳)を読んでみようと思って一冊簡単そうなのを買ったら、それが700ページ超だったんですよ…。
読みやすい訳ですごく面白いんですが、とにかく長い!
さらに、それを読み終わっても終わらなくても、課題図書のごついやつが2冊控えていまして、いつになったら普段の小説に戻れるものやらわかりません。
とりあえず読みなおしたいと思ってるのが
Rosemary Sutcliff
Front Street Pr
発売日:2007-08

サトクリフによるこの二作。
両作とも日本語で読んだとき、妙に印象に残る本でした。Song for a Dark Queenの方は特に。最後が何とも言えない終わり方で…。まあ、ブーディカと言えば悲劇ものに決まってはいるんですけれども。

それともう一作
Margaret Elphinstone
Canongate Pub Ltd
発売日:2001-10-07

こちら、気になっています。
アメリカ発見な話です。
何時読めるともしれないですけれど…。

25.7.11

久方ぶりで告知

ここ数週間、物理的に忙しいのと精神的に余裕がないのとで、ブログを留守にしていました。


さて、以前書いた通り、9月から英国マンチェスター大学へ1年間、留学に行きます。中世イギリス文学を学んできます。古英語や中英語の知識も増やして、できれば読めるくらいになって帰ってきたいです。

...と、言いたいところだったんですが、先日大学からメールがあり、「中世文学・社会系の授業、ことごとく中止になったからね、授業選び直してね!」と言われました。
そのため、やけになって、史学と考古学をつまみ食いすることを決めました。うん、背景知識ってやつですよね、背景知識!
「ヨーロッパの形成400年-1500年」、「ローマ支配下のブリテン島」などをとります。正直知識も語彙も無い分野ですがなんとかついていけたらいいと思います。

ただ、以前とれないと言われていた古英語と中英語の授業がとれてたのだけは、嬉しいですね。しらばっくれて授業選択リストに紛れこませただけのことはありました←


それと、マンチェスターへ渡航する前に、ニューヨーク(再)とアイスランドのレイキャビク(初)へ、行ってまいります。
つまり、

日本→米国→氷国→英国(10ヵ月位)

ということになりますね。(我ながら酷いスケジュール)
米国は主に帰省的な感じですが、アイスランドの方は、勉強兼観光が目的なので目一杯楽しみます(宣言)。サガの本場ですし、写本やら遺跡やら博物館やら見に行きまくろうと思っています。脳裏にはきっとヴィンランド・サガがちらつくんでしょうけれd

旅行中になるか後になるかはわかりませんが、アイスランド旅レポートも書きたいと思います。一人で、英語も日本語も通じない国に行くのは初めてなのでちょっとどきどきしていますが、アイスランド人は英語が上手いそうなのでそれに賭けます←
私の話したことのある唯一のアイスランド人は、英語が今一でしたけどね


貴重な1年間、実のあるものになるよう、がんばってこようと思います。
他の授業が趣味っぽくなってしまった以上、古英語と中英語はある程度ものにしたいです。





…そしてマンチェスターよ、頼むから、これ以上授業をつぶさないでおくれ…!考古学・史学系の授業もないとか、言わないでよ!四面楚歌になるから!
…って言ってるそばから2学期に実施のはずだった授業が1学期に移り、とれなくなりましたよorz

8.7.11

終わりのない世界

Ken Follett
Pan Books
発売日:2008-10-03
やっとこさ読み終わりました。
すごく派手な話ではないし、とにかく長いけれど、登場人物の生き生きとしていること!
一つの教会、そして一つの手紙を取り巻く、実に様々な人々の人生が、ぎっちり詰まっています。
読み始めるとやめたくなくなる、妙に吸引力のある本でした。

"World without end"は聖書からの引用で、"Unto him be glory in the church by Christ Jesus throughout all ages, world without end. "(Ephesians 3:21)の末尾部分です。切り取り方が意味深ですが、おそらく「世々教会に栄光あれ」という内容の文章だからというのも、この部分を選んだ理由の一つなのでしょうね。ちなみに、現代訳の聖書では、"to him be glory in the church and in Christ Jesus throughout all generations, for ever and ever!"(同)となっています。

27.6.11

乙嫁3

読みました。


この巻は、一番好きな回かもしれない。
もともと、何と言うか、「リアリティ」には欠ける作風だと感じていたので、「中央アジアをモチーフにしたファンタジー」という位置づけで読み続けていた漫画でしたが、今回は、ちょっと違うかもと思いました。
あ、ファンタジー云々というのは、要するに(当たり前のことですが)日本人目線の物語だな、ということで、けなそうとしている訳では全くありません(むしろファンタジーは大好物)。
スミスさんのエピソード、考え方の根本からの違い、それゆえに起こり得るすれ違いが、綺麗に丁寧に描かれていました。思わず、「酷い」と思ってしまったのは、現代人ならではの感情で、もし明治に生きた人に読んでもらったならば全く違う感想を持つ可能性もあるのかな。こういう場面を漫画で描ける人がいることは、凄いことだと思う。

26.6.11

テラビシアにかける橋

ガボア・クスポ
ポニーキャニオン
発売日:2010-03-17


観ました。
レンタルショップで、たまたま目にとまって、借りました。

良かったです。良い映画でした。
ストーリーもそうですが、何より演出の仕方が、たまらなく好きでした。
ああいう遊び、よくやったよなあ、と。
特に懐古するのが好きな訳でも、子ども時代=黄金時代 などと言う気もありませんけれど、あれはものすごく楽しい時間だったなあ、と。
正直に言うと今もよくやってるけれど、友達と堂々と出来たのはあの歳くらいまで。


最初にディ○ニープレゼンツと出たのを見て、うわあはずしたかも!とつい思いましたが、久しぶりの大当たりでした。

ところでヒロインの子、どこかで見たと思ったらチャーリーとチョコレート工場のあの子だったんですね。
そして、私が昔読んで結構感動した「ソウル・サーファー」の主演もやっている…日本公開未定だけれども。


色々語りたいけれども、語ると魅力が減じる類の映画な気がするので、これでおしまい。

23.6.11

続・金星4巻

また飽き足らずにつらつらつらと書いています。9話の話も込で。ネタばれます。




この間授業で扱われた「くぐり戸」というH. G. Wellsによる短編に、金星の庭のモチーフになったような庭園が登場してるのを発見してしまいました。
この物語では主人公が5歳ごろに見つけた、とある扉の向こうの世界に魅せられる、というのが大筋なのですが、この扉の向こうにある庭園が、彗星やマリアたちが連れてこられた庭に少し似ているのです。

・花の生い茂る、手入れのされた「庭」のようであること(舗装された道あり)
・人に慣れた豹がいること
・女の子が現れること(ウェルズ:髪の長い、美しくてもしかすると金髪かもしれない少女→"fair"という言葉が使われている)
・噴水があること

まあ、共通点と言ってもこれくらいなのですが、何となく似てるような気がしてきはしないでしょうか。
偶然の一致とは、言えないような。
以前私が厚かましくも「ジョン・ダン氏ってあの詩人からとってますか」とお聞きしたところ「イエス」と答えて下さったこともあるので、これもひょっとすると…。



以下、気になる点。

・夏草の過去。
確か、「俺には帰る国はない」と言っていた、と誰かが回想していたと思います。そして、アルベルトは、「日本人ではないのかもしれない」と考えている。そして他の月氏メンバーと違い、「人一倍、心に澱を降り積もらせていくタイプ」に見えるという錆丸の意見。
日本人でなくて漢字が読めるとしたら、中国、韓国、ベトナム辺りでしょうか。ベトナムなら、フランスに併合されてるだろうからある意味「帰る国が無い」?でもどこかの国のバベルの一族/少数民族なのかなーとも。バベルの一族抹殺依頼に、強固に反対していたらしいですし。あとグラナダって日本の漢字無いですよね、多分。


・黒曜が辞めたってことは、砂鉄が繰り上がり一鎖になるってことなのかどうか。
もしや実質的に一鎖?


・灘陸佐が持ってこようとした情報とは、何だったのか。
バドル移動の話をするためだけに来たのではないはず…。○P的な何かで退場されてしまいましたが…。


・相変わらず正体不明の金星。
金星と言うと、もう荒川の橋の下の彼女しか思いつかなくて、そんな電波な感じの少女しか想像できないんですが…絶対違うでしょうね。
金星の「花婿」って、普通に夫って意味なんだろか、と、今更ながら思いました。それを言ってしまったら「この世の栄華」って具体的に何よ、というのも問題ですが。美しい踊り子とか宴とか、全部あのポスターを見た人の妄想ですものね!


・花婿候補の行く末について。
砂鉄は「花婿に選ばれるのはたった一人、二人とも生き残ることはあり得ない」なんて言ってますが、考えてみればアッディーン双子の片割れの弟の方、特急に乗って失踪した2年前からずっと生きてるんですよね。緑の多い場所で、金星に恋をしている、という夢をヤスミンが見ていて、それだからこそヤスミンも金星に嫉妬せずにはいられなかった訳ですし。
そう考えると、樹になった人たちはともかく、「消された」人たちはどうなったのでしょうね。その存在が本当に抹消されたのか、はたまた摩訶不思議パワーで瞬間移動なんかさせてるのか(そんな甘い…)



事実関係整理

月長石に殺された3人、単行本で名前が抹消されてましたね。
可哀想なので、メモしておきます。
レイフ・オールマルクス、32歳
クリストフ・チャン、29歳
ホセ・サムディオ、37歳
いずれも軍人。


さらに、それぞれ生存者の国籍が単行本に追加されていましたね。

・金星特急内の様子を整理。65ページよりところどころ追加しつつ抜粋。


先頭車両、機関部:黒バベルと白バベル(国籍不明)

2号車、月長石ことセトウチ・ヨウ(日本)→緊急停車時にイヴァンに縛られロシアに引き渡される形で下車(9話)

3号車、レジナルド・ヒューズ(アメリカ)、イヴァン・アニキエフ(ロシア)、ミキタ・タケシ(日本)、トッド・トバイアス(イングランド) 元9号車組

4号車、砂鉄(月氏)、ユースタス・ユーハン・ユレンシェーナ(聖マセッティ騎士団)、アルベルト・サヴォイア(ロヴェレート王国) 元8号車組

5号車、無人

6号車、灘一陸佐(日本)

7号車、バドル・アッディーン(エジプト)→後に8号車に移動(8話)

8号車、殺された三人→バドルにより7号車に移動(8話)


しかし、物語が進めば進むほど、嬉野君さんの知識の深さが見えてきますね。ダンなんて、日本では知ってる人ほとんどいないのに、なんてマニアックな。私だって、授業で扱われなければ知らなかった。ウェルズの方も(推測が正しければですが)今日まで全く知りませんでした。

そして、言語学に関する知識も。母音がどうとか鼻濁音がどうとか、これまたマニアックな話が。もしや、言語学を学ばれたことがあるのでは、と思えてすらきます。正直、多分大多数の読者にとって割と重要ではない部分でしょうが、こういう細かい言語学的説明や設定が、ちょっと言語を齧ってる身としてはとても美味しいのです。

15.6.11

書くことと語ること

金星特急を叫んだあとで、全く毛色の違うものを遠慮なく取り上げてみようと思います。
3つ、連続で語学に関する(かどうかは微妙な)本を読みました。

1冊目のは、世界の文字と言葉の代表的なものを取り上げて紹介した、言葉の図鑑のようなものです。
1言語につき見開き2ページという量なので、情報量が的度でわかりやすいと思います。文字の見本写真がたくさん組み込まれているのも、見ていて楽しい。文字の体系別にざっくりとした説明があり、それからそれぞれの言語を各専門家が解説していくという形です。
中にはネタ的な写真やらを仕込んでくれる書き手もいて、面白いです。
個人的に嗤ったのが、ハンガリー語の

Megörült
Megőrült

前者は「彼は喜んだ」、
後者は「彼は気が狂った」
だそうです。
これ、手書きのときは日本語の「ソ」と「ン」のように、とてもきわどくなりそうですよね!
ちなみに、残りの2冊の著者である黒田龍之助さんも「ロシア語:キリル文字」の項に記事を寄せられています。
いやしかし、世の中には色んな字がありますね!
その中でも漢字って、かなり特殊なんだな、と実感しました。


下の2冊は、前述の黒田龍之助さんの著書です。
名前は前から知っていたのですが、読んだことはありませんでした。
ひょんなことから『その他の~』の方の存在を知り、「役に立たない」「その他の」という言葉につられて手に取りました。で、図書館でその隣に並んでいたのがその次の本。

両方とも、面白かったです。
確かにご本人も申告しているように、黒田さんは少し「ずれた」方だということがひしひしと伝わってきます 笑。
言葉について考えたこと、知っていること、語りたいこと。両作とも、そんな事柄が詰まっていました。

11.6.11

金星特急4巻 感想

敢えて書く必要もないかもしれませんが、いつも通り元気よくネタバレしますのでご注意を。




もう、何から始めればいいのやら!!

大体の感想は、雑誌の方で書いているので、とりあえず書き下ろし「チョコレートⅠ」から。
三月・無名・砂鉄×10歳という、大変美味しいお話でしたね!ご馳走様です。


三月
もしかしたらーと思ってましたが、やはりでしたね。
彼の出身は恐らく現ルーマニア辺りでしょう。近隣の村の少年、ミハイの食べたがっていた料理、バルモシュがそこらへんの食べ物のようです。
そして、強い強い!恐らく書き下ろし三人の中で、10歳時点で一番強いのは彼でしょうね。そこから追い上げるのだから、無名も砂鉄もすごいですけれども。そして、強烈な甘党である理由も同時に判明。大人が食べる黒いもの、自分が食べることができなかったものが、チョコレートだったと。
三月らが巻き込まれていた紛争は、ワラキア・モルドヴァ・トランシルヴァニアの三国の、オスマン帝国からの独立運動にあたるものかと想像します。ルーマニアの歴史は本当に紛争が多いので、あまり自信はありませんが、大体今から200年前に起きたものがそれです。


無名
彼もまた、寂しい過去を背負ってますね。一番「普通」というか安定した性格に見えるのは、彼が月氏に入ったのが結局、黒曜の後を追ってのことで、生き残るためとか誰かを守るためとかの理由では無いからかも。
しかしお祖父さんの「狼を狩る側になれ」との言葉って、月氏の「狼しかいらない」を踏まえているとしたら、それは「月氏を超えろ」というメッセージなのでしょうね。狭い世界にとらわれず、広く視界を保て、と。
そして書き下ろし3人の中で唯一、月氏入国前から名前があったのですね。カナート、という名、どういう意味なのでしょうか。ぱっと調べたところ、イランでは地下用水路の名称のようですが、多分違うでしょうね 笑
ところで彼、本編で雷鳥様と移動中、「彗星が戻ってくるまで」「彼女が無事に戻ってきたら」とか考えてますが、それは砂鉄を信用してのことなんでしょうか。あんなに惚れてるんなら、自分で助けに行こうとは思わなかったんだろか。
黒曜が彼の存在を顧みなかったのも、何か事情があるんだろうか、と、読んでいて思いました。
しかし、お母さんが結局は旦那と上手くいってるっぽいところが、唯一の救いかも。「10人兄弟」ってことは、そういうことだと理解していいんですよ、ね?


砂鉄
名前が、なかったのですね。
「男の子」「女の子」と日本語でいうと違和感がありますが、たとえば英語ではそれほど変な呼び方ではないので、世界語もそういう言葉なのやも。しかし、砂鉄と彗星だけは月氏の呼び名であり本名なのですね。
そういえば、「眼窩」って何でその呼び名なのでしょうか…。東洋人であることは間違いなさそうですが。
それにしてもあの妹に対する溺愛っぷりは、実に堂に入ったものですね!「弟」をつくってやったり、髪を洗って梳いてやったり。命の危険も顧みずに、さらわれそうになった彗星を助けようとしたり。彗星の方も負けずに、兄の真似をして武道訓練を自主的に始めてしまったり。妹も妹なら、兄も兄。
砂鉄が戦う術を身につけようと思ったのも、彗星を守りたいがため。そう考えると、彗星が失踪した時はさぞかし悔しかったでしょう。
10歳の砂鉄の口調がものすごく可愛らしいことに、違和感を感じました。が、よく考えてみれば、砂鉄はあの歳まで多分、ほとんどお母さんと妹としか話していなかったでしょう。父親はあまり帰って来ないまま死んでしまったし、お母さんの使う言葉を同じように使っていたのだろうな。
しかし、「妹を守れるようになる訓練を必要とするか」とか聞いておきながら、何故黒曜は砂鉄が彗星を追うのを止めようとしたのでしょうね。砂鉄をも失いたくなかったか、より深い事情があるのか。より深い事情、の可能性の方が濃厚そうですが。


金星も叶わぬ恋を、の件について。
ちょっと思ったんですが、もし金星が本当に女神のような存在だった場合、彼女は不死身で錆丸はそうじゃない、みたいなものかなー、と。いや、そんな単純なことではない?

暁玲について。
「私が彼に釣り合う年齢でしたら、確実に恋していましたわ」(p110)←彼女が何歳かは分からないけれど、20代ですよね?それなら、かなり錆丸と「釣り合う年齢」かと…。もしや彼女も恋愛沙汰に参戦ごほごほ

ところで、彗星が送ってくる蜥蜴と刀の鐔の文様が伝えたいことって、「錆丸を連れて来い」ってことじゃないかな、と。彼を捜し出す、唯一の手掛かりでしょうから。



後書きもまた大変美味しい感じでしたね。私のずうずうしい質問を取り上げて下さっていて嬉しかったです。どれとは言いませんが。
5巻での書き下ろしは「チョコレートⅡ」で、アルベルト・ユースタス・夏草の過去というこれまた美味しそうなお話になるとのこと。今から楽しみ…なのですが、発売日に確実に読めないので今からがっかりしています。

金星マップ、公式に出たのをみたらルートが大分違ったので、修正しました。いつのまにか5000ビュー越えててびっくりしました。需要あるんですねー。

9.6.11

グリーン・ノウの子どもたち

金星特急4巻、まだ手に入れられてません。まあ、手に入れたとして、今読む暇があるかというとこれまた微妙ですけれども。多分、読むのは土日以降になっちゃうんだろうなあ。

ところでグリーン・ノウシリーズって一応、怪奇現象系の話だったんでしょうか。
といきなり申しますのは、先日グリーン・ノウのドラマなるものを発見して観ることができたからです。

オープニングが、まず、ホラーっぽいんですよ。めちゃくちゃ暗い画面に、揺り木馬がぼうっと浮かび上がっていて。「ファンタジー」って雰囲気じゃないような気が…。

全体的に、とにかく画面が暗いです。そして、86年に制作されたとは思えないようなクラシック感で溢れているんですが、これは意図したものなのかどうなのか。

そして、仕立てが完全に怪奇現象もの。確かに、誰もいないはずの場所から笛の音が聞こえてきたり、笑い声が聞こえたりって、よく考えてみれば怪奇現象ですけども。あの子たちは幽霊で合って幽霊でないところが好きだったのになあ、とも思います。
まだほとんど観られていませんが、冒頭部分の印象を書きたかったのでとりあえず。




4.6.11

ヴィンランド、もしくは桃源郷

放送大学の教授が書いた考察文につられて、ついつい『ヴィンランド・サガ』に手を出してしまいました。

教授曰く「中世のヴァイキング時代を忠実に再現しつつ信仰の危機や暴力、搾取など現代に生きる人間も抱える様々な問題に取り組んでいる」作品。

確かに教授の言う通り、かなり忠実に中世世界が再現されていると思います。ちゃんと漫画らしく、誇張するところは誇張するけれど、時代を逸脱しすぎないように気を付けている感じがします。
何より、最初の1ページ目。白鳥が海の上を飛んでいくシーンなんですが、それを見てすごく心惹かれました。中世北欧の言葉で、海を「白鳥の道」と表現することがあるのですが、きっとそれを踏まえているのだろうと思います。(ちなみに船は「海の馬」、王は「金を与える者」とか言ったりします)

 ――幼い頃に父を殺されたトルフィンは、殺害者であるアシェラッドを殺すことによって仇討をすることを人生の目標としていた。自らアシェラッドの率いる兵団に所属しながらも、軍功をあげるたびに褒賞として「アシェラッドとの決闘」を要求し続ける。しかしアシェラッドの兵団は、やがてデンマーク王のイングランド攻略に巻き込まれていく――

 ざっとこんな感じの粗筋でしょうか。
 こんな粗筋だけでも、これでもかとヴァイキング要素を詰め込んだ話であることがわかると思います。殺された親族の仇討をする「血の復讐」の習慣や、あちこちの勢力に力を貸す「兵団」の存在。そしてもちろん、イングランド攻略という史実。

 もうひとつ、この作品の特徴。登場する人物の多くが「ここではないどこか」を求めていること。それは、「ヴィンランド」というタイトルにも反映されています。「ヴィンランド」とは北米大陸のヴァイキング名ですが、同時に、トルフィンにとっては到達すべき「夢の大地」でもあります。作中の「ヴィンランド」は花の咲き乱れる豊かで平和な土地として想像され続け、「ここではないどこか」の代表格となっています。

 作品の元となっているサガでは、トルフィンはこの後、ヴィンランドへの航海に出ることになっています。漫画ではどのように物語が進んでいくのか、楽しみです。

31.5.11

「夢」と「現実」の。

ちょっと思い出したこと。今までも何回か書こうとしたけれど、上手く書けなかったこと。やっと、ちゃんと書けたような気がします。ちょい暗いのでご注意ください!



 『夢の守り人』は、私にとって長らく、シリーズの中で一番苦手な作品でした。
 『守り人』シリーズをくり返し読み返し始めたのは、私の持病が悪化して、学校に行けず、ほとんど外にも出られなかった時期でした。何もしていないと自分の体の状態を意識してしまって辛く、かといって動くとそれも辛い。そんな状態だった私は、本の中に意識を潜らせて、その辛さから少しでも離れようとしていました。一冊の本を読み終えたら、すぐに次の本に移り、それを読み終えたら次に。当時の私の好きな本の基準は「分厚いかどうか」と「長いシリーズかどうか」でした。分厚ければ分厚いほど、シリーズが長く続けば続くほど逃避できる時間が長くなるためです。『ネシャン・サーガ』なんかには随分と助けられました。
 当時は完結していなかったものの『守り人』シリーズもまた、長編として私の読書ローテーションに組み込まれていました。その中でどうしても読めなかった本が『夢の守り人』でした。

 「あの人生は〈花〉の罠よりずっとひどい。あの一生にとらわれるよりは、こっちの夢にとらわれていたほうが、ずっといい。」(p174)
 「もしっていうのは、苦しくなったときにみる夢だよ。目ざめてみれば、もとの自分がいるだけさ。――夢を逃げ道にできるような人生をわたしはおくってこなかった」(p306)
 
 夢に囚われたチャグム、そしてバルサの台詞ですが、私にとって、前者は共感でき、後者は読むに堪えない言葉でした。持病が治ることはない、と医者に宣言され、前も後ろも見えず物語世界に没頭してその日その日を生きるのが精いっぱいだった私に、「逃げず、現実を見ろ」と言ってくるファンタジーは重すぎました。この本のこの部分を読んだとき、まるでこんな自分の存在が否定されたような拒絶を感じて、それ以上読み進めることができなかったのを覚えています。あの時は、本を開いたままぼろぼろ泣きました。それでそれ以降、『守り人』シリーズを読むときには、『夢の守り人』はかならず飛ばして読んでいました。物語に必死に没頭していたからこそ、メッセージが深く心をえぐったのだと思います。
 
 その後しばらくして良い医者に出会い、持病も普通の生活を送りつつ付き合って行ける程度に軽くなった私は、『夢の守り人』も読めるようになりました。
 今も、自分が「現実」と向き合えるほど心が強いかどうか、私には分かりません。私にとっての「現実」が、持病が改善したことによって耐えられるレベルになった、というだけなのかも、とよく考えます。できれば以前のようなことにはなって欲しくないけれど、その時には、それに耐えうるほどの精神の力を持っていることを願います。

 でも、繰り返し読むうちに、『夢の守り人』にはもうひとつ、メッセージがあるのだと感じるようになりました。

 「…夢から帰ってこなかった人もいるぞ。(中略)トロガイ師さ。〈花〉の夢からは帰ってきたけれど、けっきょく故郷にはもどらないで、呪術師になっちまったんだからな。」(p306)

 夢と現実とのはざまを行き来する人、すなわち呪術師という存在も、物語の中にはある。それは、作者とも重なってくる存在のように思えます。夢を棄てず、しかし夢に呑まれるのでもなく、夢を自分の力とする、そんな生き方もいいじゃないかと語りかけられているような気が、私にはするのです。



22.5.11

感想と言うよりは雑感


ここのところ、結構連続で学業とは関係の無い本を読んでいます。

不審火で親友を亡くした主人公に、死んだはずのその友から電話がかかってくる。そして、彼の死の理由を解明してほしいと依頼してくる.。
←魅力的な出だしじゃないか!と思う人向けの物語。ここでひっかかってしまう人には、お勧めできません。



展開は若干読めてしまうし、少々ご都合なところもあり。でも、読めて何が悪いの?それ以上にストーリーが面白ければ問題ないじゃないか!と、主張したくなる本です。


それにしても、携帯電話に亡くなった本人の姿が映し出される、というのはいかにも現代のファンタジーだな、と。きっと、数十年後にはもうこれも古くなって「平成の香り」がする、とか思われるのだろうなあ。



(しかし、彼は本当にこれで納得して「成仏」し得たのか。そこが疑問。疑問に思っちゃいけないのか、疑問に思っていいのか、そこにも考え込んでしまいます。実は成仏してなくて、というか成仏云々は関係なく…という展開でも、畠中さんならありかもしれない、と思ってしまう)

21.5.11

土用丑の日

こちらは、色々考えさせられつつも破滅的に面白かった本。
数年前に、「ウナギの生態解明!」みたいな記事が出ましたよね。その「解明」に尽力した方の著作です。
アフリカにしかいない希少なウナギを捕まえに何カ月も放浪する話。

全く状況は違うのですが、先日アメリカにて「取材活動」な一週間を過ごしてきたばかりなので、こういう達成せねばならない目標のある旅の大変さが身に沁みています。ましてや、「ウナギのうわさを追いかけて発展途上国ノープラン旅」の無謀さですとか度胸ですとかアクシデントですとか、もう想像を絶する苦難があったでしょう。それをユーモアを交えて語ることのできる著者のタフさにはもう、帽子を脱いで放り投げて万歳三唱しても良いくらいだと思います。
そもそも一番最初のページの内容が「リンチシーン」ですから…。

けれども、この本はただのアフリカ冒険譚ではなく、著者の「なぜウナギを研究するのか」という疑問にも答えるもののような気がしています。読みながら一度は頭に浮かぶ、「ウナギの生態」なんて、そんなに重要なのか?という問いかけは、著者も考えたことのようです。
「日本の食とも関わりがあり文化的にも大事」「何千キロも回遊する魚は希少であるから」などの理由もあるでしょう。しかし著者は、ウナギについての教授の講演会を通して「人が人である限り、知的好奇心は心の栄養になっている」と考えるようになったようです。この本もまた、自分の研究を様々な人に還元しようという、著者の試みなのでしょう。

20.5.11

囁く鐘

Brian Sellars
Quaestor2000 Ltd
発売日:2009-01

出だしは良かったのに、途中からあまり面白くなくなった本。ねたばれます。
7世紀くらいのイギリスで生きた女性の物語。小ぶりな王国が出来ては潰れたり飲み込まれたりしていた、不安定な時代ですね。
冒頭辺りから、現実にはあり得ないだろうというシーンがあるのですが、とても魅力的な場面だったのでありかと思い読み進めました。で、まあ(色々とんとん拍子であるにせよ)前半はまあサクサク読む分には面白かったのですが、ラストが非常に納得しかねる感じで放置されているのが残念でした。
死んだと思ってた夫と奇跡の再会をするのはいいにしても、今故郷に帰ったら泥沼だよ主人公!あんたが結婚するとか言っていたロビンフッドの元ネタみたいな男はどうする!しかも今妊娠中だったよね!?その子どうするの??
…という、明らかにハッピーにはなれそうもないところで終わるのです。
2,2巻を出せ…!決着をつけろ!と言いたくなる本でした。出版されたのが2009年だから、もしかしたら続編を執筆中かも?と、首をひねっています。

15.5.11

9話続き

前回は、結構忙しくあまり読みなおしたり考えたりする時間と余裕が無かったので、続きをつらつらと続きます。例にもれずネタバレです。



砂鉄が妙に素直でしたね。
いつかアルベルトに仕返ししてやるんだ!とか、
わかりやすい交換とか、
「せめて怯えられずに過ごせることを願おう」←どこまで控えめなんだ!まあその後の邪念で帳消し気味だけど!とか。(でもおそらくリオンの件があっただろう後でも銀魚は健在だからきっと大丈夫なんじゃないk)

そして、ユースタスの髪に指を絡めるとか…ここのくだりもきっと殿下にばっちり見られてるんだろうなあ、と思うと激しく後腐れしそうで心配です。

しかし、お互いの名前を意地でも呼ばない砂鉄とアルベルトが面白いですね。砂鉄はともかく、「僕のボディガードさん」とか「黒の二鎖」とか色々手を変えて呼ぶアルベルトの努力が涙ぐましいという他無し。


純国普と世界語。
世界語が恣意的に始められたらしいことは既に分かっています。が、誰が何故、聖書を改変するほどの、歴史を変えるほどの労力を費やして、世界語を普及させたのだろう。イスラム王朝が200年程早く誕生しているなど歴史がおかしくなっているのは、世界語関連なのか、金星関連なのか。
それにしても、バベルの故事がやたら本気にされてますよね。あれはただの「神話」の一バリエーションでしかないはずなのに、何故かキリスト教とは思えない人も含めて皆が引用してこの世の成り立ちを語る。世界語がつかわれるようになった経緯の、科学的な説明は無いんだろうか。


錆丸の過去。
少しずつ明らかになってきたものの、まだまだ良く分からないことだらけ。
9年前に13歳で金星と出会い、母親が殺され、兄が逮捕された。それ以降、成長が止まった。
でも、錆丸が養父母と暮らし始めたのは物語の「今」から2年前。
9年前から2年前までの7年間、錆丸はどこで、何をしてたんだろう。もし養護施設的なものに入っていたのなら、成長が止まっていることもばれてしまうだろうし、そもそも養父母が引き取るような年齢じゃないこともわかってしまうはず。



ところで。
ヴィットリア王女の持ってた宝石箱って、もしや、アルベルトにぶつけたやつだったりするんでしょうか。だとしたらぜひもう一度げふげふ 
しかし、結構厄介そうですねこのお姫様。ユースタスとばっちり出会っちゃう感じですが、どうするんだろう。「実は女でした、許してね!」じゃ済まないような。砂鉄もユースタスもアルベルトも扱いかねそうなこの王女様、錆丸なら捌けそうだけどいないしなあ。

そうそう、来月の4巻の書き下ろしの話のこと。誰視点か色々と作者の嬉野君さんのところへ予想が寄せられているけれど、今のところ正解者はいないとのこと。うーん、誰なのか気になりますね。今のところ、メインっぽいキャストで書き下ろし視点になってないのは三月、夏草、雷鳥、無名、黒曜(…)、くらいでしょうか。まさかの黒曜…は、ネタバレになるから無いでしょうね。個人的な欲を言えば、夏草視点希望です。何考えてるのか今一分からないから、彼の目線から金星ワールドを見てみたい。でも多分違うんだろな、正解者がいないってことは結構意外なキャラのはず…しかし、4巻に登場するキャラってそんなにいないよなあ。うーん、怪しいのは月氏の面々だろうけれども。


「次号巻頭カラー」予告に胸躍らせるもつかの間、自分は買えない=読めない、ことに気付いてがくっと落ち込みました。うん、ロンドンならまだしも、あそこじゃ絶対無理だよね…(ぐすん)。と、言う訳で、連載を追えるのは多分今回が最後…!むしろ、単行本さえ追えるか怪しい!うわあああん!!

11.5.11

金星特急9話感想+

この忙しい中、読んでしまいました。
 いやもう、何から始めて良いのやらわからないので、思いついたことをつらつら書いていきます。
(激しくネタバレします)



まず、今回の名言。「アルベルトみたいなのが第二王子というなかなか気の毒な国」by錆丸
言いますね、彼。確かに彼のような第二王子と、彼女のような王女様がいれば、ロヴェレート王国は大変でしょうね。さらに純国普の本部もあるし。

ユースタスと砂鉄が微妙な雰囲気になったり良い雰囲気になったり忙しい回でした。砂鉄が離れたと思ったら距離がまた縮まり、縮まったのかと思ったらユースタスが離れそうな感じになったり。
三月にもらったチョコを没収して代わりに自分の氷砂糖を渡す砂鉄は可愛い。(けれど、前から気になってたんだけど、それ、馬用じゃ…。)

アルベルトの性格の悪さとプライドの高さも露出しましたね。わざわざ砂鉄の弱みを確実に突いてくる殿下、本当に良い性格してますね。しかし、心の中で舌を出すとは大人気ない。砂鉄⇔アルベルトの争いって大体妙に低レベル。「オイ眼鏡」「眼鏡って呼ぶな!」とかもう中学生。

リオン気色悪い!気色悪いよ!その言葉通り「ぶっ殺し」てくれ砂鉄(格安で!)と叫びたくなるキャラ。
彼のおかげでユースタスが男性恐怖症になったのは、もう確定ですね。
あの回想部分+リオンのあのシーンで大体何が起きたのか読めた気がします。うう…。
砂鉄、リオンの実態に気付いているのかいないのか。「手首を握らないでくれ」を回想しているから、きっとわかっているんでしょうね。わかっててくれよ!

錆丸、やっぱり9年前に13歳、だった!やっぱり実年齢22歳!
金星特急乗車当初から、砂鉄やユースタスに世話になりっぱなしの自分をすごく悔しがっていたけれど、そりゃこの歳だったら悔しいわー。だってユースタスなんて年下なのに、あんなに強いんだもの。砂鉄だって5歳上なだけだし。
サバイバルやバトルには弱い(というより周りが強すぎる)錆丸でしたが、人間関係に関しては才能が光ってます。鎖様の助けがあったとはいえ、イェニツェリメンバーを分裂させるのに成功するとは。そして、化粧上手だったとは(笑。

でもってヴィットリア王女登場!兄上に似て頑固かつ行動力のあるお姫様のようで。
これから、楽しい道中になりそうです。


少し、世界語について。
ザメンホフってエスペラント語の創始者ですよね。そして、世界語って中国語でエスペラント語のことだ、というのをふとしたことで知りました。ってことは、この世界で喋ってる言語=エスペラント語、という設定?

「花冠のアヒルが蜜蜂の巣を飛び越えた」で網羅するという、32の文字記号、そして11の母音。
蜜蜂という単語に鼻濁音は含まれない。
これだけ、分かりました。今度、エスペラント語の教科書でも、見てみようかと思います。

そうだ、金星マップも更新しましたよー。


そしてアンケートに答えて下さった方々、私の好奇心に応えてくださって、ありがとうございます!


追記:早速ですみません…投稿してすぐに、あ、これ書かなきゃ、と思いだして。

金星の日面通過は、現実世界で2004年6月8日に一度あり、次は2012年6月6日。
物語の始まりは6月6日。8年前に一度日面通過があったという、物語の日付と合致しています。
ということは、金星特急の世界は近い未来を舞台にしているんでしょうか。

それにしても、嬉野君さんは「いかにも」な台詞を効果的に使う名人ですね!
砂鉄の「俺が守る」や、
リオンの「君を本当に愛しているのは、僕だけだよ」(うおおお文字打つだけで気持ち悪い!)とか。
どれも、使う場所を間違えると陳腐に見えてしまう言葉だけれど、このシチュエーションで、あのキャラに言わせることで、すごくいい(/悪い)雰囲気が生まれる。凄いなあ。

追追記:エスペラント語の母音は5つだそうです。ということは違うんですね!ザメンホフさんはジョン・ダン同様に名前を使っただけなのかも。

2.5.11

4周目

 ふっと気付いたんですが、今年でもう、ブログ初めて4年目なんですね。ストレス溜まっておかしなテンションで始めた受験生の頃から今まで、我ながらよく続いているなあ。
 毎日、少しずつ見に来てくれている人たちがいる、というのも、嬉しい限りです。特に、最近はカンボジアやマレーシアなどの東南アジア諸国から来て下さっている方々がいるようで、一体このブログの何に興味を持ってくださったのか、不思議に思いながら感謝しております。

で、不思議に思ったついでに、アンケートをしてみようかな、と。どれだけの方が答えてくださるか不明すぎて不安ですがよろしくお願いしますm(_ _)m
設置期間は、適当です← (誰も投票してくれなかったらコッソリケシマス)

かつての王にして未来の王

M.K. Hume
Headline Review
発売日:2010-09-30


ようやく、読み終わりました。
全3巻のこのシリーズ、1,2巻があまりにも面白く、アーサーがあまりにも素敵で、彼の死に様が描かれることが決定している3巻は、長らく読む気になれず本棚で寝かせてありました。

 冷静に最終巻を振り返ってみると、1,2巻の勢いは失われた感があります。もちろん、アーサーが既に高齢だということもありますが、どうも聖杯伝説部分の織り込み方に、最後まで100%納得できるとは言い難いものがありました。あれでは、ちょっと無理があるのではないかなー、という思考が終始頭の隅でちらつき…。
 しかし、「アーサー王の最期」は、ちょっぴり無常感を漂わせつつの、とても良い終わりでありました。戦いのさなかで死を迎えることによって、伝説が創られ、「かつての王にして未来の王」たるアーサー像が生まれる、その過程が垣間見えます。
 さて、実際にアーサー王がいたのか、という話になりますと、5,6世紀、押し寄せるサクソン人を一時的にとどめるほどの実力を持つ王あるいは将軍がいた、らしい、ということがわかっています。その王ないしは将軍こそがアーサーの原型である、というのが今の研究成果のようです。ずっと「アーサー王なんてロビンフッド並みに虚実だろ」と思っていた人間としては、びっくりだ、と言うしかないですが…。
 以前1,2巻を紹介したときにも書いたと思いますが、このシリーズはそんな「アーサー王」の原型、5,6世紀のケルト人の王としてのアーサー(筆者の与えた名前はアートレックス)を描いたものです。史実と幻想が混じるブリテン島の戦いの物語。興味を持たれた方は是非ご一読ください。(といいつつ、おそらくいないだろうなあもしいたらぜひお友達になってください!)

ちなみに、姉妹編としてこんなシリーズも始まっているようです。

今度は、アーサー王の右腕であり医術師でもある、マーリン(ミュリディオン・マーリヌス)の生涯の物語。といっても後半生は大体アーサー3巻と被ってくるのでどこまで何が描かれるかは不明ですが…。
アーサー王シリーズが人気が出たからじゃあ次はマーリンだ!という安易な雰囲気が感じられないでもないですが、何分引き込みが強力な物語を書く人ですので、個人的には読むのを楽しみにしています。




追記:
金星特急4巻、6月に出るんですね!何だかんだ言って雑誌で追っちゃってますが、書きおろしが誰視点になるのか、どんな話なのか楽しみです。それに、公式金星マップが載るとのことなのでそれも楽しみ。

26.4.11

中世語り



昨日、数時間かけてこの2冊を読みました。
両方とも、中世イングランド関連の書籍です。
専門書ではなく一般の人向けなので情報量は多くはないのですが、著者の桜井さんの語り口や個人的な感想、見解などが交えてあり、面白く読める本だと思います。
この分野そして時代が大好きな人が、素人にも伝わるよう、その面白さや楽しさを語る本、とでも言えばいいのでしょうか。
色んな人に、この楽しさを広めていこう。
そんな熱意が感じられる本だと思います。

何分語り口が軽いので、この分野をこんな軽率に扱うな!と思う人もきっといるとは思います。でも、こういうタイプのものも必要だし、やっぱり基本は楽しむことじゃないか、と私は思うのです。

19.4.11

星屑

Neil Gaiman
Bt Bound
発売日:2000-01

読みました。お星様が、ちょっと嫌な子だったのに驚きました。まあ、自分を「捕まえた」相手に礼を尽くす必要なんて、よく考えたら全くないんですが。そして、主人公のお母さんが猫耳なのにも。映画…では、普通の女の子だった気がするんだけれど、どうだっけ…と、しばし考え込みました。

さて、やっとこさ新年度が本格的に始まってまいりました。
今年は比較的自由に講義を選択できるので、とても楽しいです。そして、後期には留学。
3年生になるのなんて、本当に早いものですね。


4/20追記:授業中にぼんやりと辞書を調べてたら、ちょっと気付いたこと。
ハウルのCalciferってLuciferからきてたりするのかな、とふと思ったのです。Luceというのが確かイタリア語では「光」という意味だと聞いたことがあるけれど、ルシファーもそうなのかな、と思って調べたところ、もともとラテン語のlight bringing, morning starという語からきているようでした。星が落ちると悪魔になる。まさに、カルシファーのことじゃありませんか。
 そうするとCalciferのCa部分がなんなのか、という問題が残る訳ですが、こちらは何とも言えません。何か意味があるのか無いのか。いつか思いつくことがあれば、また。

9.4.11

Yes sir, yes sir...


こんな本を見つけて、読んでしまいました。

タイトルは、マザーグースより。
Baa, baa, black sheep,
Have you any wool?
Yes sir, yes sir,
Three bags full.
One for the master,
One for the dame,
And one for the little boy
Who lives down the lane.

羊飼いを殺された羊の群れが殺人犯を暴くために奔走する、コメディタッチのミステリーです。

登場羊の名前は色々想起させられるものばかり。
例えば、事件の探偵担当のMiss Maple。アガサ・クリスティのMiss Marpleを匂わせる名前で、実際の役どころもそのような感じ。
そして黒い雄羊、Othello。これには吹きました。読んだ方はわかるでしょうが、シェイクスピアのオセロは劇中で、敵役から「黒い雄羊」と言われているのです。さらに、この羊のオセロが送ってきた人生は、動物園とサーカスでの奴隷生活を含む、とっても数奇なもの。異国からやってきて、一度は奴隷となった経験もあるシェイクスピアのオセロの見事なパロディです。
物語の鍵を握る羊は、Melmoth。こちらはゴシック小説のMelmoth the Wandererが元ネタ。

と、こんな調子です。

さらに、何でも羊視点なおかげで、人間なら気付かないことに気付いたり、人間なら気付くことに気付かなかったりというのが面白いのです。物語のタイプは全く違いますが、何となく、斎藤洋さんの『白狐魔記』シリーズを想起させられます。
ただし、謎ときありきのミステリーとしては、ちょっと解明部分が物足りない気も。

この本、元々はドイツ語で書かれたものですが、邦訳も出ております。既に絶版となってしまったようですが…。『ひつじ探偵団』という本です。

ドイツ語の原作では2作目も出ているようなので、英訳が出たらまた読んでみようと思います。

3.4.11

アメリカ自然史博物館

とうとう行ってきました!
ナイト・ミュージアムで多くの展示物が登場する、あの博物館です。

博物館が制作しているiphoneアプリの中に「ナイト・ミュージアムツアー」なるものがあったので、それに従って右往左往していました。おかげで一回も迷うことなく目的地にすらすらと行けました。Metで迷いまくって挙句の果てに一階で「一階に行きたいんですけど」って聞いちゃった人間としては、ありがたすぎるアプリでした。

さて、忘れる前にナイト・ミュージアム関連の諸々の写真を上げときたいと思います。

まず、イースター島のモアイ像。は、フェイクだったのでパスします。映画で登場したガム噛んでるあれ、好きだったんですけどねー。

次に、あのCapuchin Monkey。ラリーをイラつかせ困らせる諸悪の根源とも言える彼です。



ティラノサウルス・レックス。



アフリカライオンたち。


アラスカムース、アフリカゾウ御一行様と黒サイは、暗過ぎてあまり上手く映らず…割愛いたします。

マンモスさん。の骨。


ダチョウ一家。下に雛がいるの、見えるでしょうか?



以上です。
この博物館、昔からジオラマに力を入れていて、できるだけ自然な光景にしようととても努力しているようです。


と、ここら辺まではものすごく「自然史」な感じなセクションなのですが、実はこの展示には続きがありまして、歩いていくとアフリカやアジアの人々の暮らしセクションに繋がっている訳です。そして、民族衣装を着てそれらしいセッティングでポーズをとるマネキンたちがそこらにたくさんある訳で…。そこら辺がアジア人としては、「…(汗)…(生態?観察?)…」と、思ってしまうところかと。

そして、日本コーナー。

この左の埴輪レプリカ、何だか鎧がどうもおかしい気がするのですが…日本史に詳しい某様や某様、どうでしょう?アリですか?(半私信)



そして、博物館に行く途中で見かけた、ビルとビルの間に挟まれた小さな家。



さて、帰国まであと2日。もうあと行くところもありませんので、今後は読書感想メインに戻るだろうと思います。

そうそう、荒川弘さんの新連載が6日に始まるそうですね!農業高校の学園ものだとか。荒川さんならではの作品を楽しみにしています。
そして、あと一カ月と少しで金星特急の最新話が読める…!こちらも楽しみ。

28.3.11

観光

自由の女神像(再び。今度はもう少し近く)と、National Museum of the American Indianを見てきました。
前回とは別の場所から出ている別のフェリーに乗って、もう少し近くを通過。
また同じような写真ですが…。
傾いているのは、船に乗っている+ズーム機能を使っている+力量の結果ですのでご勘弁ください。


今回撮った中で一番気に入ってるのはこれだったりします。
フェリーに乗っている間、餌を期待しているらしいカモメたちに追跡されまして、そのうちの一羽をカメラに収めることが出来た訳です。

次に、博物館の話を。


…さて、あなたは今まで全く見たことのない動物に出会いました。牛のように大きいけれど角は無くて、顔は細長い。その背には奇妙な格好をした人がくっついています。この動物を何と呼んだらよいでしょう?

アメリカ大陸では馬が絶滅していたので、アメリカン・インディアンの人々はヨーロッパ人が持ち込んできて馬を見て非常に驚いたそうです。もちろん、この動物を呼び表す名前もありません。そこで各部族が考えた名前は…

Cree...mistatim: big dog
Lakota(Sioux)...sunkakhan: mystery dog, holy dog
Assiniboine...thongatch-shonga, sho-a-thin-ga: big dog
A'aninin(Gros Ventre)...it-shuma-shunga: red dog
Siksika(Blackfoot)...ponoka-mita: elk dog

なのだそうです。皆、今までに知っている動物の中では犬に一番似ていると思ったようですね。

特に興味深かったのは、アメリカン・インディアンの描く絵。「絵」というよりは、「記録」と言った方が正確なような。例えば、ある男性の功績を表す絵では、敵の首が頭上にいくつも描かれ、名誉を表す鷲の羽を何枚も持っていて、さらに盗んだ馬の首部分だけが描かれて何頭分捕ったかがわかり、そしてこれまた攫ってきたらしい奥さんが描かれている。何が起きたのか、何をしたのかを伝えるのが主な目的のようでした。

もうちょっと見て行きたかったのですが、時間切れに。また時間があれば行きたいです。
そして今週中には、The American Museum of Natural Historyにも行きたい‼

27.3.11

Leaving this world...

ダイアナ・ウィン・ジョーンズさんが、26日に亡くなったそうです。
最近やっと、彼女の作品の面白さがわかるようになったばかりなのに、残念でなりません。
May her spirits rest in the many worlds which she has depicted with such wonderful skill and humour.

21.3.11

お久しぶりの

まだ、ニューヨーク市にいます。
もともと3月末には帰国する予定でしたが、数日伸ばして4月の初旬に帰ることにしました。
それくらいで変わるものは少ないでしょうけれど。

さて、最近の活動は、
Metropolitan Museum of Art(再訪)
ブルックリン&自由の女神
中華街

などでした。

Metropolitanの写真はうっかり撮り忘れて無いので、とりあえず自由の女神さまを。

遠景だったので、カメラで拡大してこのくらい。
"Give me your tired, your poor/Your huddled masses yearning to breathe free..."
の言葉で始まるソネットが刻まれているというあれですね。船の窓ガラスの汚れも映ってますが…。
ブルックリンへはSouth Street Seaportから船で行きました。海上からNY市の様子を改めて見ると、平地にビルが林立している様子が良く分かります。そして、並び立つビルの手前には、イギリス風のコテージと言うかお屋敷と言うかが建っていて、すごく奇妙な風景でした。

そして中華街。
魚屋さんが生きた魚を容赦なく段ボール箱の中に放りこんで展示していたり、バケツの中にカエル(生)が大量に座り込んでいたりしました。まあ、下町で生ドジョウが100g500円で売ってるのとどっこいどっこいですね。(中華街カエルはさばいてくれるようだけど、下町ドジョウはどうするのか、未だに謎です。)
あまり良い写真ではありませんが、通りを撮った一枚です。

それでは、またどこかへ行ったら写真を上げにきます。

15.3.11

無題

ワシントンDCへ行ってきました。
出発の朝、日本で地震があったことを友からの安否確認メールで知りましたが、そのまま行ってしまいました。
現地に着くと、最高裁で半旗に迎えられてどきりとしました。こちらDCおよびNYCでは、今も半旗を掲げたままの所が多いです。
宿泊場所に戻ってテレビをつけると、津波・地震の被害の様子が流れていて本当に驚きました。
こちらのニュース番組は妙に扇情的な割には情報量が少なく、最初は一体何が起きているんだかよく分かりませんでした。

この場を借りて、亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。

9.3.11

鏡よ鏡

Gail Carson Levine
HarperCollins
発売日:2008-05-01

NYCのブックオフで見つけて思わず購入。1ドルでした(笑。

"Ella Enchanted"の作者のお伽噺ベースの別作品。
今回は、「白雪姫」が物語に編み込まれています。

個人的に嬉しかったのは、主人公のAza(エイザ、と読むんだと思っていますが、正直自信が無い…)の妹がAreida(アリーダ?アレイダ?)であったこと。今本が手元に無いので確かめられないのですが、彼女、確か"Ella Enchanted"のエラが寄宿学校へやられたときの親友だったと思うのです。ルシンダさんも相変わらず出演して、色々掻き回してくれます。

正直言って、レヴィーンの王子様の描写がワンパターンで、個性があまり無いのですが、彼女の力はお伽噺をわくわくするファンタジーに描き直すところで発揮されているのだから、問題なし!←

しかし、本当にレヴィーンは物語を書くのが上手だなあ。
登場人物の個性は、よく考えると結構ワンパターン。
お伽噺ベースだから、ストーリー展開も結構予測できてしまう。
それなのに、あれよあれよと読ませてしまう。そして読んでいて、楽しい。
こういう話、書いてみたいなあ、と思わせる物語が書ける人。今後も期待しています。

6.3.11

スケジュール

24日に飛び立ってから、怒涛の日々でした。
ここで、忘れる前にざっくり振り返ってみようと思います。まあ、もう大分忘れてる気もしないでもないですが。

2月24日―3月2日:NY。
安ホテルに泊まったら窓に鍵がかからなくて、「壊れてるよ」って言いに行ったら、「元々鍵なんて無いよ」と言われすごすご戻ったのが印象的でした。あと、エレベータがよく見たら「これは乗客用ではありません」と書いてありました。

2月28日:ワシントン日帰り。
世界銀行、ホワイトハウスを見てきました。途中、友たちがやばい駅に入りそうになりましたが必死で止めました。何がやばいって、その駅の直近エリアだけ、やばい目つきをした人たちがぶらぶらしていることです…。明らかにアレは、入ったら(ただでは)出れない駅だと思う。



3月1日:アクシデント発生。私にはそんなに影響はありませんでしたが。

3月2日―3月4日:ボストン
ユースに泊まりました。結構管理がきちんとしていたし、安全そうでした。一人旅なら、多分安ホテルより安全じゃないかと感じます。日本人も結構いて、旅するT大生なんかにも会いました。

3月3日:プロビンス(ロード・アイランド州)
弁護士がたくさんいる町でした(くらいしか印象が無い)



3月4日―:実家。

3月5日:
下に書いた通り、The Metropolitan Museum of Artへ行ってきました。初めてまともに観光しました!と言いつつも、自分の興味のあるところには全く行かなかった訳ですが…。
そして友を空港近くまで送って行った訳ですが、色々ハプニングがありました。日本でいえば、山手線の電車が中央線を走っちゃったぜ!みたいなハプニングです(真実)。まあ、終わりよければすべてよし、というやつですね!(にこり)
夜は、何かのパーカッションを観に行ってきました。疲れてなければ、ものすごーく面白かったんじゃないかと思いますが、疲れていた私には残念ながらあまり味わえませんでした(爆睡…ごめんなさい!)

こんな感じでした。

こんにちは

こんにちは。
ふと金星マップのビュー数を見て、びっくらこいたWaYaです。

さて、本日はThe Metropolitan Museum of Artに行ってきました。
友に付きあって行ったので、基本的に19世紀ヨーロッパ絵画のセクションしかじっくりは見なかったのですが…。

全体的な感想は…

「金に飽かせて、世界の歴史と芸術を手当たり次第買い漁ってきた」

という感じでした…。
(「めちゃくちゃだなあ」というのが、友の感想でした)

エジプトの神殿をそのまま頂いてきてででーんと組み立ててみたり、イギリス、イタリアなどのお屋敷を移植してみたり。
「カオス!!」と叫びたくなるような統一感の無さでした。

はい、急いで撮ったので完全に床が傾いてしまっていますが、エジプトの神殿を移植した部屋(?)です。

もっと色々書きたいのですが、眠いので今日はここまで。

3月6日追記:
と、ぶった切るようなことを書いて寝てしまったことをちょっぴり後悔。
大丈夫です、(ちょっと悪趣味な気もしますが)良いところです。
コレクションの数とバラエティは本当に凄い。とりあえず「何でもある」感じ。
だだっ広いので、巻物系の展示物なんかは全部広げて展示できているのが、個人的にはツボでした。私には全く読めない言語 (走りすぎたので何語かも不明)でしたが、読める人なら最後まで読めて良いなあと。

また時間があったら、古英語中英語文献なんかも探してみたいなあ。