3.7.09

英雄叙事詩

 『ベーオウルフ』が今、マイブームです。
『ベーオウルフ』とは、北欧の伝承を基にした英国最古の英雄叙事詩。単純に言ってしまえば、英雄ベーオウルフが悪い怪物や竜を退治する物語です。舞台設定は中世北欧。実際に書かれたのは、7~13世紀。
 それの何が面白いのかというと、中世北欧の価値観とキリスト教の価値観がミックスしているところがすっごく面白いんです。北欧の価値観っていうのは、名誉重視の世界で、戦い(殺し合いとほぼイコール)が日常、富(=金)を持つことが名誉に直結するという、物質的な社会でもあります。さらに、多神教です。そしてキリスト教は、全能なる唯一神の愛、精神的なものに価値を置くことを教える宗教。この二つの相反する価値観が、『ベーオウルフ』では両立しているのです。この両立具合が、何とも面白い!登場人物があまりにもキリスト教からかけ離れた行為を行うと(例:唯一神以外の崇拝)、「彼らはまだ、全能なる神を知らなかったのだ」(←超意訳)など、登場人物の行動の弁解をはさんできます。
 もうひとつの面白い、というか嬉しいところ。トールキン作品とのシンクロ具合!
トールキンは古英語の教授なので、ベーオウルフについても研究しているんです。で、そのトールキンの作品「ホビット」の物語が、まんまベーオウルフに出てきます!13人で行くのもそうだし、うち1人はぶっちゃけ行きたくなかったのに強制的に参加させられてるところもそうだし、龍の弱点がお腹なところ、そもそも龍が怒った理由がその行きたくなかった一人が宝物を盗んだせいだってところも!!

 とにかく、楽しくて仕方がないです(期末試験はどうしt←進級できますように!)
いつか古英語が読めるようになりたいな!




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