29.11.09

※LINXにhiraさんの「路地裏の空」を加えさせていただきました!hiraさん、ありがとうございます!


 今まで英語の授業などで勉強してきた詩について。結構、考えさせられて面白いものが多いと思うので、それらの中で特に印象に残ったもの、好きだったものについて語りたいと思います。
 私のポエムチョイスは非常に偏っていると思われます。が、自分の思考を整理するためにも、とりあえず自分チョイスの整理をしておきたいのです。(ほとんどは著作権が切れているので、掲載しても問題ないものは全文掲載します)

まず、

John DonneのThe Flea。「蚤」というタイトルの詩です。きっと、この詩を知ってる方がいらっしゃったら、「ええ、こんなんからリスト始めるのかよ!?」と思うでしょう。でも私は、この詩のウィットが結構好きなんです。最初に読んだとき、「あ、今上手いこと言った!」(笑)と思いました。もしこの人が好きだったら、うっかり丸めこまれそうだなぁ(そして後の祭りになりそうだなあ)と思います。
 自分なりの訳も付けてみました。よろしければご覧ください。

THE FLEA.(1633)
by John Donne

MARK but this flea, and mark in this,
この蚤を見てごらんなさい、そしてこの蚤に見なさい、
How little that which thou deniest me is ;
そなたが私に拒んでいることのちっぽけさを、
It suck'd me first, and now sucks thee,
その蚤は私の血を吸い、今そなたのを吸っている、
And in this flea our two bloods mingled be.
そしてこの蚤の中で私たちの血は混ざり合っている。
Thou know'st that this cannot be said
A sin, nor shame, nor loss of maidenhead ;
そなたもこれが罪や恥ずべきこと、あるいは処女喪失だとすら言えないことは分かっているだろう?

Yet this enjoys before it woo,
  それなのに、この蚤は求婚前に愉しみ、
And pamper'd swells with one blood made of two ;
  二つの血で作られた一つの血で膨れ上がって満足している、
And this, alas ! is more than we would do.
  そして、ああ! それは私たちが行うであろうこと以上のものなのだ。 

O stay, three lives in one flea spare,
ああ、待って、この一匹の蚤の中の三つの命を助けてやってくれ、
Where we almost, yea, more than married are.
そこでは私たちはほとんど結婚したも同然、いや、結婚した以上のものになっているのだから。
This flea is you and I, and this
この蚤はそなたと私、そしてこれは
Our marriage bed, and marriage temple is.
私たちの婚礼の床、そして婚礼の神殿なのだから。
Though parents grudge, and you, we're met,
親たちが嫌がり、そなたが渋っても、私たちは出逢っているのだ、
And cloister'd in these living walls of jet.
そしてこの生きた黒玉の壁の中に落ち着いているのだ。

Though use make you apt to kill me,
  そなたは私を習慣で殺そうとするが、
Let not to that self-murder added be,
  その罪に自殺が加わってはいけない、
And sacrilege, three sins in killing three.
  そして聖なるものを冒涜し、三つの魂を殺して三つの罪を犯してはいけない。

Cruel and sudden, hast thou since
残酷で唐突に、そなたは
Purpled thy nail in blood of innocence?
爪を無実の血で紫に染めてしまったのか?
Wherein could this flea guilty be,
この蚤がどんな罪を犯したと言うのだ、
Except in that drop which it suck'd from thee?
そなたから吸った一滴の血以外?
Yet thou triumph'st, and say'st that thou
だがそなたは勝ち誇り、そして言うのだ、そなたが
Find'st not thyself nor me the weaker now.
そなた自身も、私も、力を失ってなどいないのが分かる、と。
'Tis true ; then learn how false fears be ;
それもそうだ。なら恐れというものがどれほどまやかしであり得るかを知りなさい、
Just so much honour, when thou yield'st to me,
Will waste, as this flea's death took life from thee.
そなたが私にその身を許す時には、それほどの名誉しか
損なわれないのだ、この蚤が盗ったそなたの命ほどしか。

 彼の巧妙さ、私のつたない訳で伝わったでしょうか。というより、何の詩かお分かりになったでしょうか?短くまとめると、女性を口説こうとしている男による詩です。
最初にこの詩を勉強したのは、確か中3だったと思います。先生が朗読した瞬間、男女揃ってるクラスが一斉にしいんとしたのは覚えています(笑)。皆脳内で「え、これでディスカッションとか(男女混合で)するんだ?」と考えていたことでしょう。そのおかげでインパクト絶大、今でも覚えているという訳です。

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